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特集

TECHNO POP IN 80's & 00's

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2009年03月19日 16:00

更新: 2009年03月19日 19:11

文/北野 創、澤田 大輔

 歌謡曲からハードロックまで、あらゆる要素をカオティックに混ぜ合わせるアーバンギャルドだが、彼らのベースに80年代の〈オリジナル・テクノ・ポップ〉があることは、自他共に認めるところだろう。とは言え、彼らは過去のコピーに徹しているわけではなく、むしろそのサウンドは、目下隆盛しているフューチャー・ポップやチップチューンといった、言わば〈現代のテクノ・ポップ〉と深く共振している。80年代と2000年代……アーバンギャルドが結び合わせる、2つの時代のテクノ・ポップ作品をそれぞれ紹介します。*澤田

■80年代 ―オリジナル・テクノ・ポップ

空手バカボン 『空手バカボン ナゴムコレクション』 ナゴム(2005)

有頂天のケラと、筋肉少女帯の大槻モヨコ(現・大槻ケンヂ)&内田雄一郎のトリオ=空手バカボンが残した音源をまとめた2枚組ベスト。リズムボックスやシンセによるチープ極まりない演奏と、余りにもシュールな歌が絡み合い、聴き手を脱力させつつ圧倒する。ナゴムならではの諧謔精神が詰まった、国産テクノ・ポップの極北的作品!? *澤田

ジューシィ・フルーツ 『ゴールデン☆ベスト-多重果実 品質特撰-』 コロムビア(2005)

イリアこと奥野敦子がヴォーカルを務めるポップ・バンドのベスト・アルバム。歌謡フィールドで活躍していた彼らだが、当初からテクノ・ポップ的サウンドを積極的に採り入れており、特に近田春夫がプロデュースを務めた“ジェニーはご機嫌ななめ”は大ヒットを記録。キュートな歌声&ピコピコ音の組み合わせが、その後に多くのエピゴーネンを生み出した。*澤田

P-MODEL 『IN A MODEL ROOM』 ワーナー/SS RECORDINGS(1979)

プラスチックス、ヒカシューと合わせて〈テクノ御三家〉と称されたP-MODELのファースト・アルバム。自ら〈ミュージカル・ホッチキス〉と呼んだピコピコ音が終始鳴り渡り、パンキッシュな性急感と緊張感が全編を貫く、本邦屈指のテクノ・ポップ名盤。ストーカーの心情を綴った“美術館で会った人だろ”に代表される、特異な日本語詞も印象深い。*澤田

プラスチックス 『FOREVER PLASTICO』 ビクター(1993)

立花ハジメ、中西俊夫、佐久間正英などの錚々たる面子が在籍し、ワールド・ワイドに活躍したプラスチックス。そのファースト全曲に、他作品の代表曲も詰め合わせた編集盤。サーフ・ロックやオールディーズをチープかつロボティックに変換したサウンドの数々は、いまも昔も変わることのない、圧倒的なクールネスを湛えている。*澤田

ムーンライダーズ 『MANIA MANIERA』 GT/ソニー(1982)

時代の変遷と共に、様々なサウンドを纏って来たムーンライダーズのテクノ/ニューウェイヴ期を代表する一枚。シーケンサーを導入し、インダストリアルな機械音でビートを組み上げるなど、ポップ・ミュージックを解体するような手法を全編で用いてみせた問題作。その過剰な実験性ゆえに、一時は発売中止になったというエピソードも。*澤田

YMO 『浮気なぼくら+浮気なぼくら(インストゥルメンタル)』 アルファ/ソニー(1983)

テクノ・ポップを世に知らしめたYMOが、ベタな歌謡ポップにトライした6作目&そのインスト・ヴァージョンを収めたお得盤。ともすると〈巨匠のお遊び〉的な作品と思われがちだが、音に立ち向かう本気度と、そのクオリティーは、他の作品と遜色なし。“君に、胸キュン。”を始め、デジタル・シンセのキラキラしたサウンドに彩られたポップ・チューンが目白押し! *澤田

VARIOUS ARTISTS 『「テクノ歌謡」アルティメット・コレクション1』 GT/ソニー(2008)

ニッポンのテクノ・ポップ=テクノ歌謡の名曲群を詰め込んだコンピレーション。小池玉緒“鏡の中の十月”やシーナ&ロケッツ“浮かびのピーチ・ガール”などの定番ソングから、榊原郁恵“ROBOT”のようなビザールな楽曲までを総ざらい。サブカルから芸能~歌謡界までを横断するテクノ歌謡の多面的な魅力が、これ一枚でがっつり堪能できます。*澤田

■2000年代 ―現在のテクノ・ポップ

Ordinary Venus 『Ordinary Venus』 ビクター(2008)

GOATBEDの石井秀仁と9nineのCha-ponによるエレクトロ・ポップ・ユニットの80年代アイドル曲限定カヴァー・アルバム。80's音楽に対する偏愛ぶりには一方ならぬものがある石井らしく、BaBe“I Don't Know!”や宮沢りえ“DREAM RUSH”といった埋もれた名曲も見事にサルベージして、さらに80'感を上塗りしたようなテクノ・ポップに改編しております。*北野

Saori@destiny 『WOW WAR TECHNO』 D-Topia(2009)

電気グルーヴ“Shangri-La”を採り上げた前歴からも分かるように、90年代が活動の裏テーマにある(と思う)Saori嬢。本作では、WINKばりのユーロ歌謡からハード・ハウスに突入する表題曲や、TRF“EZ DO DANCE”のハイエナジーなカヴァーまで、レイヴ~ジュリアナ系譜のサウンドを展開! お水系(?)テクノ・ポップの正統後継者と言えるかも。*北野

Sweet Vacation 『さよならマイデイズ』 ビクター(2009)

初音ミクとのコラボでも話題を集めた、東京エスムジカの早川大地とバンコク・ガールのMayによるダンス・ポップ・ユニットの最新シングル。伸びやかなシンセ・オーケストラが切ないメロディーと絡み合う表題曲や、KTタンストール“Suddenly I See”の溌剌カヴァーなど、80'sポップス的な普遍性を感じさせるラヴリーな一枚です! *北野

Perfume 「Perfume First Tour 『GAME』」徳間ジャパン(2008)“ワンルーム・ディスコ” 徳間ジャパン(2009)

ジューシィ・フルーツのテクノ歌謡クラシック“ジェニーはご機嫌ななめ”をライヴの定番曲に組み込むなど、旧テクノ・ポップ世代へのアピールもバッチリの彼女たち。待ちに待った新曲“ワンルーム・ディスコ”では、より直截的にディスコ・サウンドを導入して胸躍る新生活をブギーに演出。一方のカップリング曲“23:30”は、柔らかにスウィングする生音ビートが心地よいメロウ・ナンバーで、ますます懐の深い音世界を展開しております。この雑食性がアイドル的でもあり、テクノ・ポップ的でもあり……って強引? *北野

ヒゲドライバー 『ヒゲドライバー2UP』 eden's E(2009)

〈ニコニコ動画〉でのブレイクを足掛かりに、遂にはCDリリースにまで辿りついた電脳時代の申し子アーティスト。ピコピコ音を基調としつつも、そこにエモいメロディーやドライヴ感溢れる生演奏を組み込んだ作風が特徴で、本作もロック的ダイナミズムに満ちた逸品に! 新世紀のシンガー・ソングライター像がここにある? *北野

marino 『lollipop+』 FLAVOR(2006)

capsuleの中田ヤスタカとPlus-Tech Squeeze Boxのハヤシベトモノリがプロデュースを手がけたガール・ポップ作が、4月22日に新装盤として再リリース。キュートな電子音を聴かせる中田楽曲と、カラフルなサンプリングを駆使するハヤシベ楽曲が一緒くたに並ぶという、なんとも贅沢な逸品。さらに、Sucretteのオクダヒデタカによる新曲3曲と、エイプリルズの“パン・ダ”のカヴァーも追加収録! *澤田

YMCK 『ファミリークッキング』 avex trax(2009)

スウィンギン&スウィートな8ビット・サウンドで、チップ・チューンの普及に広く貢献してきた(最近では浜崎あゆみのリミックスも担当!)女子ヴォーカルを含む3人組。楽曲テーマを〈料理〉に絞った本作でも、レトロゲーム的なピコピコ音が子供の頃の無邪気な気持ちをチクチクと思い起こさせてくれますよ! *北野

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