昨年発表されたフル・アルバム『あらためまして、はじめまして、ミドリです。』以来、10か月ぶりに届いたミドリの新曲は初のシングル形態。ロマンティック度数が猛烈に高い“swing”をはじめ、彼らのジャズ魂が炸裂した本作について、メンバー3人に全曲解説インタヴューを敢行!!
「バランスなんてとりたない」
――今回のシングルに収録されているのは比較的新しめの曲ですか?
後藤まりこ(ギター/ヴォーカル:以下、後藤) そうです。去年のアルバムを出してからです。
――ということは、初のワンマン・ツアー後に作り始めた、と?
小銭喜剛(ドラムス、以下:小銭) そうです。そういや、最初、僕らワンマンはやりたくなかったんですよ。
――ほう、それはなぜ?
小銭 ワシらだけやから(笑)。
――対バンがあった方がいいと。
小銭 そうそう。ワンマンやったらミドリだけを見に来てくれるわけでしょ?
後藤 僕らだけのために2,800円とか3,000円払って観に来てくれるって、何か悪いなあっていうか、そんな自信ないしな(笑)。
小銭 「たった60分でガッカリです」みたいに言われるのも悲しいしな。実際、「短かったですね」って言われたりもしたし。
後藤 でも、やってみたらおもしろかった(笑)。
小銭 うん、おもしろかった。やってよかった。お客さんがすごい待っててくれたんやなあって思えて、すごい嬉しかった。
――じゃあ、そのワンマンでの手応えが今回の曲に反映されていると。
ハジメ(キーボード) うーん、そういうわけでもないんですけど、でも、ただの勢いだけではダメだな、と思いながら曲を作っているところはありますね。個人的にはそのへん、悩みながらやってるところはあります。
後藤 初期の勢いだけで行きたいところもある。でも、それではアカンところもある。僕、最近、昔のことをよく思い出すんよ。バンド組んだときとか、初めてCD出したときとか、初めて東京に出てきたときとか、そういうときのことをよく思い出す。後ろ向きな意味でも、前向きな意味でも。
――それは、その頃の感触をいまこそ注入したい、という意味?
後藤 それもあるし、〈あの頃は良かったなあ、でも、もう戻られへん。(いまできることを)やらなきゃ!〉みたいな気持ちもあるし。どっちも。
ハジメ ただ、そういう話をメンバーでしたことはないですね。昔を思い出すことは僕もあるけど、あの頃があって、いまがあるわけだし。自分はいつも余裕があるわけじゃないから、とにかく自分の考えてるリフを乗せて曲を仕上げるってことくらいしか考えられない。
小銭 うん、昔は昔、いまはいまって感じで、いまやれることを一生懸命やるしかないんでね。
ハジメ 確かに「昔は良かった」とかって言う人もいますからね。そういうのを気にした時期もあったんです、僕なんかは。「どこかバンドとして変わったのかな?」って。でも、音を聴いてもらうしかないんでね。
小銭 変わったんかなあ。分からへんなあ。
後藤 でもな、なんかうまくバランスがとれてきた、みたいに言われるとちょっと嬉しくない。そんなバランスなんてとりたないもん。バンドとしてのバランスみたいなものとらんで、パーッとやって、パーッと終わりたい(笑)。だって、バンドなんてそんな長くやれるもんやないやろ? 長くやってるいいバンドもあるやろうけど、僕はそんなん考えたことない。
小銭 うん、終わりは絶対ある、というイメージはある。
後藤 僕、明日ポックリいったら、な(笑)?
――いつ何時どうなってもいいように、そのくらい一点集中でやりたいと。
後藤 そやな。でも、終わりを目指してるわけではないからな。例えばな、いつまでも歌い継がれる曲を作っていきたいっていうのって、〈目的は音楽やないやん!〉って思う。それって〈目の前にある音楽に向き合ってない〉ってことやろ? 〈ずっと歌い継がれる曲を作ること〉を見てるってことやろ? 僕はそういうの、好かん(笑)。
ハジメ でも、個人的には小さな目的は持っていますよ。バンドとしては、目の前にある音楽に向き合うのが当たり前で、後は、個人的な気持ちですよね。
――スキルとかプレイヤビリティーとか?
ハジメ まあ、それもありますよね。でも、やってて楽しい曲を作れたらいいな、という単純なことですよね。
小銭 うん、この3人とやる(演奏する)のが楽しいからやっとる、みたいなところが基本やしなあ。誰か一人が「おもろないし、やめるわ」って言い出したら終わりやろし。
後藤 こっちゃん(小銭)が言い出すことは、まあ、ないやろうけどな(笑)。
ハジメ まあ、そのくらい目の前のことを一生懸命考えて曲を作ってるってことですよね。
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