YOU, JUST LIKE HEAVEN 耳で聴いたピープル・トゥリー
キュアーをめぐる音楽の果実は、ここに一本のトゥリーを生んだ
THE JIMI HENDRIX EXPERIENCE
『Are You Experienced?』 MCA(1967)
ロバートのライヴ初体験は11歳で観たジミヘンだったそう。彼が左利きギターを弾ける(らしい)のはその影響か? 言われてみれば官能的な歌い回しもややジミ的な気がする。ちなみに、バンドでは初作にて“Foxy Love”の、トリビュート盤にて“Purple Haze”のカヴァーを披露!
(田中)
SIOUXSIE & THE BANSHEES
『The Best Of Siouxsie & The Banshees』 Polydor
ロバートは70~80年代にかけてこのバンドでギターを奏で、アルバム2枚に参加&来日も経験。さらに、スティーヴン・セヴェリンとはグローヴ名義で活動するなど両者は何かと縁深い。バンシーズが特異な音楽性とゴスいアート志向で先陣を切ってくれたからこそ、キュアーは成功できたのかも?
(宮原)
PAUL HARTNOLL
『The Ideal Condition』 ACP(2007)
オービタルの片割れ(弟)が独り立ちして放った本作で、ひときわ耳を奪うのがロバートとの共演曲“Please”だ。キュアーのポップネスとオービタルの知性&美しさがイイ感じで結び付いた、激メロウなエレポップにトロトロ。
(山西)
MY CHEMICAL ROMANCE
『The Black Parade』 Reprise(2006)
本作での死に対するオブセッションやゴス・メイクは、『Pornography』からのインスピレーションなくして生まれ得なかったのではないだろうか。そんなわけで、キュアーの最新リミックスEPにてジェラルド・ウェイはきっちりとお礼参り!
(宮原)
BILLY CORGAN
『The Future Embrace』 Warner Bros.(2005)
日頃からキュアーのファンであることを公言しているスマッシング・パンプキンズ。片やロバートも彼らのことが大のお気に入りらしい。そんなこんなで実現したビリーのソロ作での相思相愛コラボは、重厚なサウンドに絡まる歌声が得も言われぬ流麗さを醸し出していて……。この組み合わせは想像以上に美味!
(柴田)
BLOC PARTY.
『Intimacy』 Wichita/HOSTESS(2008)
ロバートの歌唱法を真似する人は数多く存在するが、昨今の代表格と言ったらやはりケリー・オケレケか。音的にも中~後期キュアーが打ち立てた〈サイケデリック×メランコリック=エキセントリック・ポップス〉を継承中。この公式は時代が変わろうとも甘美な味わいを届けてくれますな!
(柴田)
JUNKIE XL
『Radio JXL -Broadcast From The Computer Hell Cabin』 Roadrunner(2003)
憧れのヒーローを集結させたという本作で、ロバートもお呼ばれ。御大が書いたゆらゆらと浮遊する儚げなメロディーに対し、サイケなエレクトロ仕立てのトラックを用意したあたりに敬愛の念を感じます。
(山西)
BLINK-182
『Blink-182』 Geffen(2004)
持ち前の陽性パンク・サウンドから一転、80'sテイストを大胆に採り入れた本作において、革新的でダークな色合いをいっそう引き立てているのがロバートのヴォーカルをフィーチャーした“All Of This”だ。陰鬱とした美しさが微塵の違和感もなく響き渡る。
(宮原)