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特集

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2009年02月19日 18:00

更新: 2009年02月19日 18:59

文/土田 真弓

  ausやmiaouを輩出した良質レーベル=precoが手掛ける初の本格的なヴォーカル作品ときたら、注目せざるを得ない。どこでどう繋がったのか(そして、いつ制作されていたのかも)まったくもって不明だが、Atsushi Horieのソロ・プロジェクトが7曲入りアルバム『Welcome Strangers』でさり気なくデビューを飾った。

 淡い記憶がフラッシュバックするかのごとく、断片的に挿入されるテープの逆回転やアコギの旋律。夢の入口のようなオープニングに導かれ、意識はとろりとしたまどろみのなかへ……。ヴォーカル、ギター、シンセなど、ほぼすべての楽器を自身で担当したという本作だが、生ドラムによるブレイクビーツをループさせているせいか、ベッドルーム発でありながらバンド・サウンド然とした疾走感も漂わせている。ジェントルなヴォーカル、緩やかに表情を変化させるギター・フレーズ、スウィートなグロッケンをはじめとした生楽器の響きを繊細な電子音でコーティングしたサウンドは、どこまでもセンチメンタルで、ほのかにサイケデリック。けれど、遠い地平線の彼方に目線を向けたくなるような開放感も備えている。エレクトロニカでもポスト・ロックでもない、ほどよいヒューマニティーを纏ったポップトロニカ作品である。

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