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特集

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2009年02月05日 15:00

更新: 2009年02月05日 18:00

文/北野 創、澤田 大輔

 シーンを愛し、シーンに愛されるサイプレス上野とロベルト吉野。だからこそ、彼らのもとには、これだけの多彩な面々がごくごく自然に集結した――ここでは、『WONDER WHEEL』に参加したアーティスト陣をサ上とロ吉のコメントと共に紹介します! *澤田

■ALI-KICK、将絢(共にRomancrew)

  Romancrewは3MC&1DJのヒップホップ・グループ。ブラック・ミュージックの持つファンクネス&メロウネスを吸収した艶っぽいサウンドが人気の彼らは、サ上とロ吉と共にマネージメント・オフィス、LOCKSTOCKに所属。今回はALI-KICKと将絢の二人が参加しており、ALI-KICKはけだるくメロウな“ボンクラの唄 p.k.a 僕等の唄”をプロデュース。将絢は狂おしいラヴソング“BABY LOVE”にてジェントル&シルキーなヴォーカルを聴かせてくれる。*澤田

 「Romancrewは普段かっこつけ過ぎなんですよ。でも実際は、俺たちより駄目なやつらですからね。まあ、あいつらも使ってやんねえと可哀想かなあと。言わばフックアップです(笑)」(上野)。

■BACH LOGIC

  世界レヴェルの実力を誇る大阪発の異才プロデューサー。初期はBL名義で活躍し、その頃からMINMIらに良曲を提供して注目を集めていた。2006年にSEEDAの傑作『花と雨』を全曲プロデュースした辺りで一気にブレイクし、いまや注目作には必ずBL印が刻まれているほど。本作ではロッキッシュなギターが印象的な“MASTERS オブお家芸”を手掛けている。*北野

「とあるイヴェントに遊びに行ったら、ちっちゃいけど男前な人が〈お~上ちょ!〉とか話しかけてきて、それがBLくんで。TKCのアルバムで、俺が参加した曲がBLくんのトラックだったんすよ。そういう繋がりもあって、実際に会って仲良くなったから、1曲お願いしました」(上野)。

■BUZZER BEATS

  SHIGE、CHIVA、SHIMIら3人のトラックメイカーによる気鋭のプロデュース・チーム。煌びやかなネタものから変則的なシンセ・ビートまで、ヴァラエティー豊かな作風が特徴で、USメジャー・ヒップホップにも通じる高品質なサウンドを、ZEEBRAやGEEKをはじめ様々なアーティストに提供している。サ上とロ吉とは前作『ドリーム』収録の“LOVE SONG”や、BUZZER BEATSの初アルバム『Just The Beginning』収録の“クレイジーラブ”で合体済み。今回は柔らかなヴァイブスに溢れた名曲“NEXT EPISODE”をプロデュースしている。*北野

「普通にクラブでもしょっちゅう会ってるし、同年代だからすごい仲がいいんですよね」(上野)。

■DJ WATARAI

  NITRO MICROPHONE UNDERGROUND周辺のヒップホップ作品や、MISIA、AIらR&B系シンガーのプロデュース/リミックス仕事などもこなすヴェテランDJ。今回はRYUZOをゲストに迎えたヒップホップ賛歌“STAR LINE”をプロデュース。流麗なエレピ・サウンドと得意のスクラッチを小気味良く組み合わせた逸曲に仕上がっている。*北野

「RYUZOさんとやるならこれだなって感じのトラックを提供してくれましたね。ワタさん(DJ WATARAI)は会ったら緊張する大先輩ですけど、もの凄いフランクなんですよ。超辛口で、人の悪口とかバンバン言うのがウケるんですけど(笑)」(上野)。

■LATIN QUARTER

  横浜が誇る異能アーバン・ファンク・フュージョン集団、PAN PACIFIC PLAYAに所属するプロデューサー。『ドリーム』に収められたサ上とロ吉の代表曲“Bay Dream~フロム課外授業”を手がけており、今回は“サ上とロ吉”“WONDER WHEEL”の2曲をプロデュース。その煌びやかな音使いがアルバムにポップな空気を吹き込んでいる。*澤田

「パーティー・ピープルですね。金土日と、ひたすら騒いで……」(吉野)。
「月曜日は超テンション低い。すごい繊細な人で、“WONDER WHEEL”みたいなきれいなトラックを作るのに、夜は椅子の上に乗って〈うおー!!〉とか吠えてるんですよ。その落差が凄い(笑)」(上野)。

■RYUZO

  話題のAnarchyも所属する注目レーベル=R-RATEDのボスとして知られる、関西シーンを代表する重鎮ラッパー。90年代よりMAGUMA MC'Sの一員として活動し、2007年には待望の初ソロ・アルバム『DOCUMENT』をリリース。渋い擦れ声によるドスの効いたフロウが魅力で、上野氏も「高校のときに聴いたRYUZOさんのラップが衝撃的で、〈ヤベえ、これ誰なんだ?〉って、声真似してた」と語るほど。その男前なラップは、本作収録の“STAR LINE”で聴くことが出来る。*北野

「初めて会ったときに〈お前、めっちゃやばいやん〉って言ってくれて。話してみたら、とにかくヒップホップが好きすぎて仕方ないっていう人なんですよね」(上野)。

■SLY MONGOOSE

  ベーシストの笹沼位吉ら元COOL SPOONのメンバーを中心に、塚本功やKUNIら実力派プレイヤーが集結した最強インスト・バンド。あらゆるジャンルを横断する雑食グルーヴは、国内外のクラブ・シーンでも高く評価されている。サ上とロ吉との初共演曲となる“FEEL LIKE DANCE”ではサイケデリックな四つ打ちロックを展開。*北野

「SLY MONGOOSEにはこちらからお願いしたんですけど、笹沼さんもやりたいって言ってくれて、マジで嬉しかったですね。タイトルはglobeへのオマージュ的な感じだけど、音はズブズブっていう(笑)。とにかく、キラキラした四つ打ちがやりたくなかったんすよ。巷の四つ打ちラップに対するアンチテーゼですね、これは」(上野)。

■ZZ PRODUCTION

  STERUSSを中心に、サイプレス上野とロベルト吉野、DEEP SAWER、三木祐司、DJ KENTA、MIC大将、謎みっちゃんが所属し、横浜をレペゼンするヒップホップ・クルー。今回はラストに彼らのポッセ・カット“ZZ CAMP FIRE”が収録されている。*澤田

「STERUSS主導でポッセ・カットを作ると、どうしてもしっとりとした感じになるんですけど、今回はZZの〈酷い〉部分を打ち出したかったんですよね。基本的には先輩たちなんですけど、そんなに出来た人間じゃないですよ。俺も〈酷い〉けど、あんたたちも〈酷い〉と(笑)。結果的に桑さん(STERUSSのCRIME6)も切れたラップをしてくれて、これだ!と思いましたね。プロデューサーとしていい仕事したんじゃないかと」(上野)。

■宇多丸(RHYMESTER)

  シーンきってのヴェテラン・グループ、RHYMESTERのMCであり、近年はラジオ・パーソナリティーやコラムニストとしても大活躍。上野氏が激しくリスペクトする人物ということもあり、サ上とロ吉とはかねてから親交が深い。今回は“MASTERS オブお家芸”にて、ボンクラ~オタク気質を堂々と誇示するラップを披露している。*澤田

「『ドリーム』の帯であれだけのことを言ってくれた(宇多丸氏は〈なんでここに俺が入ってないんだよチクショウ!〉とのコメントを寄せている)んで、今回は絶対参加してもらおうと思ってたんですよ。この曲では、宇多丸さんの非モテな部分を全面に出したかったんですよね(笑)」(上野)。

■竹内朋康

  元SUPER BUTTER DOGにして、MUMMY-D(RHYMESTER)とのユニット=マボロシで活躍するギタリスト。ミドルスクール・マナーのスロウ・ファンク“IT'S MY TURN”をプロデュースし、自身のラップも披露している。*澤田

「マボロシが俺らと同じスタジオを使ってたんですけど、『ドリーム』を気に入っていてくれたみたいで、〈ぜひやりたい〉って逆オファー的に言ってくれたんですよ。クール・キッズに代表されるヒップスター・ラップ……スカスカなトラックでラップの音を加工して……みたいな曲を作りたいなあと思ってたら〈それやろうよ〉って。たった3日でトラックを仕上げてきてくれました。音を聴いたら、もうバッチリでしたね」(上野)。

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