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特集

若き俊英たちが集い、シーンに新たな風を送り込むEccy主宰レーベル=SLYEに注目!

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2009年02月05日 15:00

更新: 2009年02月05日 18:00

文/北野 創、澤田 大輔

 Eccyの活動基盤となっているのが、2007年に立ち上げた主宰レーベル=SLYEだ。自身をはじめ、haiiro de rossiやNAGAN SERVERなど、彼が日々の活動のなかで出会った若きMCたちの作品を次々とリリース。設立から1年ちょっとで10枚以上の音源を世に送り出しながら、SLYEファミリーとでも言うべき緩やかなネットワークを築き上げる、理想的な活動を展開している。なお、3月にはGlasemiliaのMC、オロカモノポテチのソロ作『人類救済』のリリースも決定済み。これがなんと銀杏BOYZのメンバー3人が参加、かつ銀杏BOYZのカヴァーも収録という異色作となっている。Eccyの新作に続いて、よりクロスオーヴァーに攻めの姿勢を見せる2009年のSLYEの動向を注視しつつ、まずは同レーベルの主要作をおさらいしておこう。*澤田

ECCY+Shing02 『ULTIMATE HIGH』(2007)

 〈STOP ROKKASHO〉で発表されたShing02曲のリミックスをきっかけに表舞台へと登場したEccyが、そのShing02を招いて鮮烈デビューを飾った記念すべき初シングル。ドラマティックな展開が鳥肌ものの表題曲はいわずもがな、自身のユニットであるThe Reservoir Voxxをフィーチャーしたカップリング曲“MONOCHROME SEARCH LIGHT”も、ひぐらしの鳴き声と爽やかなピアノがサマー・ブリーズな風情を湛えた名曲だ。*北野

Eccy 『Floating Like Incense』(2007)

 上記のシングルが大反響を呼ぶなかでドロップされた、早くもクラシック感の漂うファースト・アルバム。サンプリングを主体とした柔らかなビートを主軸とするなか、メシアtheフライやCANDLEらラッパー参加曲では緊迫感に満ちたトラックを用意するなど、そのサウンドは実にカラフルで表情豊か。なかでも、作家の清野栄一による10分以上にも及ぶポエトリー・リーディング曲“Road Novel”はかなり刺激的。*北野


あるぱちかぶと 『大震災/カラシニコフ』(2008)

  ECCYとはThe Reservoir Voxxで活動を共にする若手MCの初シングル。文学的で叙情性豊かな詩世界が全編にわたって展開されており、とりわけECCY製の幻想的なトラックと〈夢を見た〉の一節から始まる抽象的なリリックが夏目漱石「夢十夜」を思わす“カラシニコフ”は完成度の高い一曲。ボム・ザ・ベース辺りのアーリー90'sサウンドを下敷きにしたような“大震災”のYODAリミックスもカッコ良い! *北野

環ROY×Eccy 『more?』(2008)

 fragmentやNEWDEALら幅広いアーティストとの共演でシーンを自在に闊歩する異才MCが、同じく新世代を代表するEccyと邂逅を遂げた熱きドリーム・タッグ盤。ダークで退廃的な空気が横溢する“Hunter”や、メロウなチル・ナンバー“散歩と太陽と音楽”、ストイックなビートがもろ90年代アングラ的な“I Sings Skateboard”など、どんなスタイルの楽曲でもシャープなフロウでクールに乗りこなす環ROYが素敵すぎる! *北野

NAGAN SERVER 『NO FOUNDATION EP』(2008)

  大阪を中心に活動する気鋭グループ、ABNOMAL BULUM@のMCによる初ソロ作品。勇壮なオーケストラ曲をスペーシーに調理した“NO FOUNDATION”でのEccyをはじめ、SUPER SMOKY SOULや盟友のDJ拓音らが浮遊感溢れるトラックを提供。主役の軽快なフロウと抜群の相性を見せている。土俵ORIZINのDJ ARCHITECTによる表題曲のリミックスも、ヒップホップ好きなら耳馴染みのフレーズが散りばめられていてグッジョブ! *北野

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