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特集

ZEEBRA(4)

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2009年01月15日 12:00

更新: 2009年01月15日 17:43

ソース: 『bounce』 303号(2008/9/25)

文/升本 徹

未来への鍵

  ヒップホップ・シーンにおいては、アンダーグラウンド至上主義のようにナンセンスな考えを持つカタブツやヘイターが存在するだけに、時にセルアウト(売りに走ること)と批判されかねないようなZEEBRAのスタンスはリスクの連続だったように思える。しかしながら、(彼ひとりの功績ではないのは前提としても)そんなリスクを顧みないZEEBRAのような存在があったからこそ、ここ日本においてもヒップホップがメジャーな音楽としてしっかり認知を得ることができたのだろう。ただZEEBRA以上に意図してマスとコアを結ぶようなスタンスを持ち、両面で支持を得ることができるほどのスキルフルなアクトが続かなかった(強いて言えばKREVAが近いかもしれないが)、というのはシーンにとって痛手だったのかもしれない。ここ数年盛り上がりを見せているアンダーグラウンド・シーンもヒップホップ特有の排他性/閉鎖性を伴っているだけに、そこから彼と同等の(もしくはそれ以上の)フレキシブルでスター性のあるアーティストが現れるようなことがあれば、日本のシーンももっと活気づき、おもしろみも増すのではないだろうか。20年選手のZEEBRAがいまも最前線で活躍しているのは頼もしい限りなのだが、逆にシーンの行く末を考えるとそれは危機的な状況でもあると捉えることもできるし、あるいはシーン成熟のためには彼の存在が不可欠だということなのかもしれない。少なくとも、『The Anthology』に収録された新曲“Jackin' 4 Beats”を聴く限り、ZEEBRAもまだまだ後進にトップの座を譲る気などは毛頭なさそうだ。
▼ZEEBRAの客演した作品。


2004年にリリースされた長渕剛のトリビュート盤『Hey ANIKI!』(フォーライフ)

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