Britney Spears
すでにデビューから10年も経っていながら、まったく人気に翳りが見えないどころか、日々ますます注目度を高めている今世紀最大のポップ・プリンセス、ブリトニー・スピアーズ。先日ヤフーで発表された2008年の年間検索数においても、またもや彼女の名がトップを飾った。これで5度目。激動のエンタメ界のなかにあって常に頂点に君臨し、世界を翻弄し続ける彼女とはいったい何者なのか。
そもそも98年のデビュー曲“...Baby One More Time”からして衝撃的だった。〈もう一度私をヒットして〉と歌った16歳。〈心をアタックしてよ〉とも〈身体をアタックしてよ〉とも取れる挑発的な歌詞をあっけらかんと歌って、世間に揺さぶりを掛けた。曲作りを手掛けたのはスウェーデン人のマックス・マーティン。バックストリート・ボーイズなどで成功を収めた彼が、ロビンに続く女性アイドルとして送り出したのがブリトニーだった。同名のファースト・アルバムは、USのR&Bを基調としたファンキーなビートと、スウェーデン産らしい独自のポップセンスが掛け合わされたカラフルなダンス・ポップ作品となっている。当時の彼女の発言によれば、もっとも好きなアーティストはマドンナとジャネット・ジャクソンの2人。他にはホイットニー・ヒューストンやマライア・キャリー、シャナイア・トゥエインにプリンス、ロック系ではエアロスミスやサード・アイ・ブラインドらの名前も挙がっていた。つまり限りなくメインストリーム寄りのベタな音楽志向を、彼女は本質的に持っていたのだ。と同時に、エッジーでありたいという志向も併せ持っていて、その両極端のバランス感覚が、ブリトニーの音楽をユニークでおもしろいものへと変貌させていくのだった。
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