THE LOWBROWS 世界はもう知っている……これが日本の最終兵器か!?
東京のエレクトロ・シーンが盛り上がっている……とはいうものの、音を聴こうとCDショップに行ってもほとんど見当たらない! というわけで、オリジナル音源が絶対的に不足している現状を打破する存在として注目されているのがTHE LOWBROWSだ。ターンテーブルにギター/ベースをはじめ、さまざまな楽器を使いこなすChaki、幼少からクラシック音楽に親しんできたEmiという男女2人組。活動は2005年からとまだキャリアは浅いものの、海外メディアでも取り上げられたり、多くのDJたちがプレイリストに挙げている他、ライセンス・リリースやDJオファーもあって、彼らの名は世界に広がりつつある。バン・ギャン・ディージェイズの最新ミックスCD『D Is For Disco E Is For Dancing』にも“Dream In The Desert”がピックされていた。また日本国内でも〈サマソニ〉出演や数々のリミックス仕事、過去にはSMAPへの楽曲提供もあり、実力はすでに証明済みなのだ。
そんなTHE LOWBROWSが、東京、いや、世界のエレクトロ・シーンが待ち望んでいた初のアルバム『For Whom the Bell Tolls』をリリースした。アルバムにはバン・ギャン・12インチズから出されるオリジナル音源に加え、DEXPISTOLSや80kidz、MYSSによるリミックスも収録。肝心の内容は、ライヴ感のあるワイルド&ロッキンな“Linda Is Tonight”、パンキッシュなディスコ・トラック“Stay Faceless”、郷愁を誘う甘美なメロディーを備えた先述の“Dream In The Desert”など冒頭からクォリティーの高いトラックが並び、ポップ性も巧みに押さえたハイブリッドな展開に溢れている。その充実ぶりはまるでエド・バンガーやモデュラー、キツネ、そしてダフト・パンクらの持つ旨味を凝縮したかのよう。このアルバムを起爆剤に、日本のニュー・エレクトロ・シーンのさらなる爆発が期待できそうだ。
▼THE LOWBROWSの参加作品を一部紹介。