MUSES OF SUPREME ELECTRO WORLD !! エレクトロ・シーンを美しく彩るミューズたち
エレクトロ・ミューズは鈴木亜美だけに留まらない! 現在のJ-POPシーンには、ダンサブルでエレクトロニックなポップ・ミュージックを聴かせる女性シンガーたちが百花繚乱。日々、ピコピコでビキビキなガール・ポップが発信され続けております。ここでは、そんなシーンを代表する歌姫たちを紹介しつつ、彼女たちの作品のなかからエレクトロ度の高い楽曲を(独断と偏見で)ピックアップいたします。
■Aira Mitsuki
“Beep Count Fantastic (feat.Terukado)” (アルバム『COPY』収録)
“Swallowtail D.A.N.C.E (Cherryboy function ver.)” (アルバム『COPY』収録)
“ロボットハニー” (シングル“ロボットハニー”収録)
当初はキュートでテクノなフューチャー・ポップを展開していたAira Mitsukiですが、アルバム『COPY』は、エレクトロのど真ん中に打って出た問題作。ブレイクでほとんどノイズと化す“Beep Count Fantastic (feat.Terukado)”のぶち切れ具合は海外のニューレイヴ勢にも比肩するのでは。ジュリアナ的なレイヴ感を導入した“Swallowtail D.A.N.C.E (Cherryboy function ver.)”も他に類を見ない独創的なトラックで素晴らしい。最新シングル“ロボットハニー”も8ビットなエレクトロで、なかなかにビキビキしております。
*澤田
■immi
“Go with the flow feat. Shigeo (The Samos) ” (アルバム『Switch』収録)
“Power Station” (アルバム『Switch』収録)
“Milk & Honey” (アルバム『Switch』収録)
自ら作詞作曲を手がけるミステリアスなミューズ、immi。彼女の初アルバム『Switch』は、現行のエレクトロをストレートかつスタイリッシュに採り入れたシャレオツ盤。Shigeo(The Samos/SBK)をMCに迎えた“Go with the flow feat. Shigeo (The Samos) ”は、ポップでありながらフロアでも通用する国産エレクトロの傑作となっております。そのほか、80'sエレクトロな雰囲気の“Power Station”や、キャッチーに疾走する“Milk & Honey”など、エレクトロを巧みに注入した楽曲が目白押し。彼女のアンニュイなヴォーカルとディストーションのかかったサウンドとの相性も抜群なのです。*澤田
■Saori@destiny
“Shangri-La” (アルバム『JAPANESE CHAOS』収録)
“chemical soda” (アルバム『JAPANESE CHAOS』収録)
“パーフェクト・ワンダーガール” (アルバム『JAPANESE CHAOS』収録)
〈アキバが生んだテクノ・ポップの最終兵器〉と呼ばれる彼女は、全曲をオートチューンで歌っていることもあり、エレ度よりもロボ度のほうが全体的に高め。とはいえ、待望のフル・アルバム『JAPANESE CHAOS』には強力なエレクトロ・チューンも多数収められており、なかでも“パーフェクト・ワンダーガール”は疾走感溢れるトラックに8ビットなベースが絡む爽快なチップチューンです! さらにチップ系でいえば“chemical soda”も激甘なメロディーに絡むピコピコ音が可愛らしいポップ・ナンバー。あとは、アルバムの冒頭を飾る電気グルーヴの名曲カヴァー“Shangri-La”が、煌びやかなレイヴ・ディスコ+ロボ声でヤバいですよ。*北野
■鈴木亜美
“FREE FREE” (アルバム『DOLCE』収録)
“The WeekeND” (アルバム『DOLCE』収録)
“climb up to the top” (アルバム『Supreme Show』収録)
もはや説明不要のキャリアを誇る亜美嬢がエレクトロに急接近したのは、やはり中田ヤスタカと組んだシングル“FREE FREE”が最初ではないかと。こちらはキラキラ・ディスコに切ないメロディーが乗った中田節全開のナンバーで、リリース当時の衝撃は凄かった! さらに、同曲のほかにもsugiurumnやRAM RIDERとのコラボ曲を収録したアルバム『DOLCE』からは、CAPTAIN FUNK制作の“The WeekeND”が80年代ブラコンっぽいエレクトロ・ファンクでオススメ。そして最新作『Supreme Show』収録の“climb up to the top”は、ジャスティスも真っ青の激ハードなダンス・チューンに仕上がっております! *北野
■Perfume
“edge” (シングル“love the world”収録)
“GAME” (アルバム『GAME』収録)
“シークレットシークレット” (アルバム『GAME』収録)
説明不要のポピュラリティーを獲得したテクノ・ポップ・アイドル、Perfume。直球でエレクトロな楽曲は意外と少ない彼女たちですが、シングル“love the world”収録の“edge”はダンス・フロア直送のビキビキ・トラック。シンプルなリリックが繰り返されるなか、汚れきったベースがひたすら暴れまくります。彼女たちの人気を決定付けたアルバム『GAME』の表題曲“GAME”も、比較的ストレートにエレクトロしているロッキン・チューン。また、マイナー調のシーケンスが印象的な“シークレットシークレット”は、海外のエレクトロ・ハウスに最も近い質感を備えているのでは。*澤田
■80_pan
“crazy” (ミニ・アルバム『DISCO BABY』収録)
“WAVE WAVE” (ミニ・アルバム『DISCO BABY』収録)
“ドラミエレクトリック” (シングル“ドラミエレクトリック”収録)
ガールズ・バンド、80★PAN!から、ニューレイヴ・デュオの80_panへとアクロバティックに転身した彼女たち。改称&路線変更後の初のアルバム『DISCO BABY』は、当然のごとくニューレイヴ~エレクトロに真っ向から対峙した作品に。荒廃したダークな音像が衝撃的な“crazy”は、なんとシットディスコのプロデュース。ニューレイヴ作法で“My Sharona”風のベース・ラインを鳴らす“WAVE WAVE”は、ロッキンなエレクトロをなんともポップに昇華してます。12月17日にリリースされるニュー・シングル“ドラミエレクトリック”の表題曲も、ラップと歌を織り交ぜながら疾走するパンキッシュなエレクトロ・チューンです。*澤田
■MiChi
“Madness Vol.2” (アルバム『MiChi MadnesS』収録)
“Wannabe” (アルバム『MiChi MadnesS』収録)
“Fuck You And Your Money(ED BANGER ALL STARS remix)” (シングル“PROMiSE”収録)
鋭い音楽センスを武器にシーンのド真ん中へと急浮上した日英ハーフの彼女。カラフルなサウンドが魅力的な初アルバム『MiChi MadNess』所収の“Madness Vol.2”は、〈タコヤキメッチャスキ〉という謎のフレーズがM.I.A.的なハイブリッド・エレクトロ! 同作では、あのスパイス・ガールズの大ヒット曲をひとり5役でカヴァーした“Wannabe”も(良い意味で)下世話な感じが最高です。また、話題のシングル“PROMiSE”のカップリング曲“Fuck You And Your Money(ED BANGER ALL STARS remix)”は、フレンチ・エレクトロの裏番長ことビジー・Pがビッキビキのシンセ音を被せまくった逸曲です! *北野
■MEG
“Model” (アルバム『BEAM』収録)
“Love Letter - ajapai remix” (アルバム『BEAM』収録)
“MAKE LOVE” (アルバム『STEP』収録)
これまでに様々なクリエイターとコラボレーションしてきた彼女ですが、エレクトロ的にいえば、やはり中田ヤスタカとの合体以降が注目どころ。中田プロデュース第一弾アルバムとなる『BEAM』に収録された“Model”は、ロッキッシュなエレクトロ・ビートでグイグイと押し切る完全フロア仕様の1曲で、さらに同作収録の“Love Letter - ajapai remix”は、ゆるふわポップな原曲をajapaiがフィジェット・ハウス風の声ネタ+ズンドコ・ビートに仕立てた傑作! そして最新アルバム『STEP』に収められた“MAKE LOVE”は、不穏なベースラインがクールに唸っていてビリビリと痺れます。*北野