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特集

RAVE ON AGAIN!! ~甦り続けるレイヴ・サウンド(オリジナル・レイヴ編)

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2008年12月25日 18:00

更新: 2008年12月25日 19:13

文/北野 創、澤田 大輔

 SBK『RETURNS』のあちこちに見受けられ、かつ作品を特徴付ける要素となっているのが、独特のレイヴ感。そもそもレイヴ・サウンドとは何か? ざっくり説明するなら、80年代後半の英国で生まれたパーティー・カルチャー〈レイヴ〉でプレイされていた音楽――テクノやハウス、ブレイクビーツをごった煮感覚で混ぜ合わせた下世話なダンス・ミュージック――ということになるでしょう。時代の変遷と共に、一時は完全に忘却されたレイヴ・サウンドですが、昨今の90'sリヴァイヴァルや、ニューレイヴの台頭によって、再び脚光を浴びつつあります。こちらでは、90年代初頭のオリジナル・レイヴな作品と、2000年代以降のレイヴ・リヴァイヴァル的な作品とをまとめてご紹介いたします! *澤田

ORIGINAL RAVE !!

ALTERN8 『Full On...Mask Histeria』 NETWORK(1992)

テクノ・ユニット、ネクサス21の覆面プロジェクトながら、本体以上に成功してしまったオルターネイト。デトロイト・テクノもアシッド・ハウスもブリープもブレイクビーツも放り込み、ひたすらアッパーに組み上げていく彼らは、レイヴ・カルチャーのごった煮感覚を最も体現した存在と言えるでしょう。デリック・メイ“Strings Of Life”をサンプリングした“E-Vapor-8”など、彼らの代表曲を網羅した唯一のアルバムがこちら。*澤田

808 STATE 『90』 ZTT/Third Ear(1989)

マンチェ・ブームの時代から現在に至るまで現役で活動し続ける、UKテクノ界のリヴィング・レジェンドによる出世作。それまではアシッド・ハウス道を邁進していた彼らが、本作では女性ヴォーカルなどを導入することで、より普遍的なサウンドを獲得することに成功。転機となった名曲“Pacific State”の別ヴァージョン“Pacific 202”も収録した、ゆる~いレイヴ感が心地よい一枚です。*北野

THE KLF 『The White Room』 KLF Communications(1991)

KLFといえばアンビエントの傑作『Chill Out』が有名ですが、レイヴ文脈で取り上げるならこちらの作品がマスト。自ら放ったアシッド・ハウス・クラシックを大仰なシンセ・リフ&ラップで補強した“What Time Is Love?(LP Mix)”をはじめ、当時〈スタジアム・ハウス3部作〉と呼ばれたアゲアゲなアンセム・ナンバーを余すところなく収録した、90年代レイヴの最重要作ですよ。*北野

MOBY 『Moby』 Instinct(1992)

ドラマ「ツインピークス」のテーマをサンプリングした“Go”がレイヴ・アンセム化、一躍ダンス・カルチャーのスターとなったモービーの初作。基本的にはハードコアなアシッド・ハウスだが、シンプルかつ抑制の効いたサウンドは、いま聴くとなかなかにストイック。コマーシャルなイケイケ・テクノとは一線を画する傑作です。*澤田

ORBITAL 『Work 1989-2002』 FFRR(2002)

フィル&ポール・ハートノール兄弟によるUKテクノの伝説的ユニットが残した名曲の数々を手軽に楽しむことができる良質なベスト盤。デビュー曲にして代表曲となったレイヴ・アンセム“Chime”をはじめ、ポップで耳に馴染むメロディーと美しいシンセ・ワークを特徴とした、ドラマティックかつ端正なダンス・チューンがズラリと揃っています。何はともあれ再結成の報に乾杯! *北野

THE PRODIGY 『Experience』 XL(1991)

初期レイヴにおける最重要レーベル、XLを支えたモンスター・バンドによる記念すべき初アルバム。ブレイクビーツやジャングル~ドラムンベース、トランスなどのサウンドが未分化だった時代の空気感がダイレクトに反映された、衝動的な高速レイヴ・チューン満載の傑作です! 来年リリース予定のニュー・アルバムも本作にインスパイアされたものになるようで、今こそ聴かれるべき作品と言えるのでは? *北野

VARIOUS ARTISTS 『DISCO 90's Presents The Best Of JULIANA'S TOKYO』 avex trax(2004)

ここ日本でレイヴを語るに、ジュリアナ東京は外せないわけでして……。本作は、あの伝説のディスコを彩ったアンセムをまとめた一枚。T-99“Anasthasia”にL.A.スタイル“James Brown Is Dead”などなど、いわゆるデス・テクノのオン・パレードだが、90'sリヴァイヴァル通過後のいま聴くと、フツーにクールな印象の曲も多い。実際、最近のエレクトロなDJは、この辺のトラックを頻繁にプレイしている様子。*澤田

VARIOUS ARTISTS 『NETWORK THE BOX SET』 NETWORK/ENDULGE(2008)

90年代初頭の最重要テクノ・レーベル、ネットワークのボックス・セット。デリック・メイやホワン・アトキンスらによるデトロイト・クラシックと、オルターネイトやリズマティックら英国勢の代表曲を、5枚組のヴォリュームでコンパイル。テクノもハウスも渾然一体となった全50曲は、レイヴ・パーティーのプレイリストのよう。ちなみに、お値段も非常にリーズナブル! *澤田

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