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DISC GUIDE(2)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2008年12月18日 12:00

更新: 2008年12月18日 17:39

ソース: 『bounce』 305号(2008/11/25)

文/出嶌 孝次

twenty 4-7
『Life』
 rhythm zone(2008)
SOULHEADなどの影響下にあると思しきシンガー&ラッパー・デュオの初フル作。オールド・スクール愛を感じさせるビート選びとパーティー・チューンの充実ぶりにHeartsdalesなんかを連想させつつ、オートチューン歌唱もところどころで無邪気に弾けまくった楽しい仕上がりだ。いかにもAILI製らしいメランコリックな2曲でビシッと締める流れが良い。

宏実
『True Colors』
 babyllclous(2008)
CIMBAとの“香水”をはじめ、DestinoやHI-Dとのコラボでもジワジワ注目度をアップしている女性シンガーの初単独作。Nao'ymtや村山晋一郎を制作陣に迎えて、センスの良いシンプルなトラックを張りのある歌声でマッシヴに拡張していき、ミニ・アルバム仕様ながら満足度はなかなかのもの。洋楽のR&Bリスナーにも普通に推薦しておきたい。

MoNa a.k.a. Sad Girl
『Hearty Beat』
 TEARDROP(2008)
ラップもこなす両刀使いだが、好きなので改めて紹介しておく。サラ・Sのようなチカーノ・ラップ周辺シンガーを意識したポジショニングで、実際に男臭いラッパーをゲストに迎えた楽曲でこそ魅力が強調される部分もある。可憐さと繊細さを持ち味にした拙めの歌いっぷりも良い。マドンナの替え歌やオールディーズ調の表題曲がキュート。

YOUNGSHIM
『Love Rain』
 ポニーキャニオン(2008)
THE 9 FAR EASTらが在籍するNITE MENから登場した在阪シンガーのメジャー・デビュー・ミニ・アルバム。RYU-JAやTRAMPといったクルーの仲間を中核に据えつつ、キャッチーな“Voice Mail”ではAKIRAが制作を手掛けるなど可能な限り用意された振り幅は今後に期待を繋ぐ。PUSHIM制作による“Girls In Da House”ももちろん目玉。

YORK
『Brotherhood』
 HOOD SOUND/Village Again(2008)
年頭のアルバムから間を置かずに登場した8曲入り。L.L BROTHERSを模倣した格好良いイントロからスピーディーな展開でスルスル聴かせ、AK-69ら兄貴分のラッパーたちのサポートを得ながらオートチューン歌唱も随所で転がりまくり。DJ☆GOがR・ケリー“I'm Flirt Remix”風に仕立てた“For Lady”がモダンで楽しい。

VARIOUS ARTISTS
『Special Calling』
 BabeStar(2008)
LUIRE誌の監修で生まれたHI-Dのプロデューサー・アルバム。女性シンガー/ラッパーで固めた人選はもちろん、サウンド・プロデュースも全編が彼の手によるものだ。こちらで紹介している山口リサをはじめ、青山テルマやARIA、ASAMI、宏実、BROWN SUGAR、ANTY the 紅乃壱ら多彩な実力者たちが美しいパフォーマンスを競い合った贅沢な一枚だ!

JAMOSA
『CRY』
 avex trax(2008)
MAGARYUを従えたシングル“SEASON CHANGES”もリリースしたばかりの彼女だが、これは年頭に出た2枚目のフル・アルバム。BACH LOGICやBUZZER BEATSがバックを固め、肉厚なハイトーン・ヴォイスで独特の芳香を振りまくパッション満開の仕上がりはいつも通り。リリックが少し生真面目すぎる感じもするけど、それももはや味だろう。

詩音
『Candy Girl』
 HOOD SOUND/Village Again(2008)
“Last Song”が配信を中心に絶大な支持を集め、アッという間に全国区の人気者へと急成長した彼女のファースト・アルバム。AILIらが主役のイメージに合った楽曲を提供し、DAZZLE 4 LIFEやBIG RONといったコワモテ(失礼)な仲間たちも温かい援護射撃で主役の可憐さを猛アピール。声のスレンダーさを活かした作りも巧みだ。

AZU
『AS ONE』
 BMG JAPAN(2008)
資料によれば〈東海ヒップホップ・シーンの紅一点〉ということで、SEAMOやカルテットらも各所でサポートに入った処女作。瑞々しいポップR&Bだったデビュー曲の“CHERISH”からシングルでは徐々に全方位型にシフトしていっているようにも思えるが、このアルバム内にはジャケのイメージよりも大人っぽいストレートなナンバーも収められている。

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