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特集

耳で聴いたピープル・トゥリー(2)

9 岡村靖幸
『Me-imi』
 ユニバーサル(2004)
バーン同様、インテリジェンスの裏に独自の美意識を潜ませて、毒々しいまでの魅力を放つ懲りない貴公子は、“Burning Down The House”をファンキー&セクシーにカヴァー。余談だが、石野卓球とタッグを組むに至ったのは、ヘッズ談話で大盛り上がりしたから……との説もある(テキトー)。
(柴田)

10 nhhmbase
『波紋クロス』
 &(2008)
ヘッズの存在はまさに〈突然変異〉だったわけですが、昨今話題を呼んでいる〈突然変異系バンド〉においてもっともヘッズ的なのが彼ら。本人たちはペイヴメント好きらしく、そのペイヴメントはヘッズからローファイ感を譲り受けたわけで……、強引に言ってしまえば〈突然変異系〉もルーツを辿れば、ってことですよ。
(山西)

11 X-PRESS 2
『Muzikizum』
 Skint(2002)
バーンを迎えた特大ハウス・アンセム“Lazy”で、キャリア最大のヒットを叩き出した彼ら。その後、自身のルーツを開陳するコンピ〈Choice〉でもパティ・スミスやキュアーと共にヘッズをチョイスし、80'sロック愛をアピール。そもそも“Lazy”は偶然ヘッズっぽいトラックができたから、参加を要請したんだって!
(山西)

12 FATBOY SLIM
『The Greatest Hits: Why Try Harder』
 Skint/Epic
その“Lazy”のリミックスをノリノリで買って出たのが、ファットボーイ・スリムことノーマン・クックさん。彼の新たなプロジェクト=BPAでは実際にバーン御大をお招きし、2009年の元旦に発表されるアルバムからの先行カットとして“Toe Jam”を制作。よっぽど特急3人組が羨ましかったんでしょうね。
(山西)

13 ZAZEN BOYS
『ZAZEN BOYS 4』
 matsuri studio(2008)
向井秀徳は間違いなくバーンから変態サウンド・コラージュ術を習得している! しかも、攻撃的なポスト・パンク~ノーウェイヴのアティテュード、バンド内での独裁者っぷりまで教え通りに守っているなんて!! 世代と人種を超えた両者の呪術的なポリリズムが、脳天に突き刺さったまま抜けないったらありゃしない!
(柴田)

14 VELVET REVOLVER
『Melody And The Tyranny EP』
 RCA(2007)
このEP盤で“Phycho Killer”のカヴァーを披露。肉体派ロックの権化ともいうべき彼らが、このアンチ・マッチョイズムなアート・パンク名曲を取り上げたことに何やらもの言いたげな気配もするが、難しいことは抜きにして本気で格好良いモダン・ハード・ロックに仕上がっております。
(北爪)

15 VARIOUS ARTISTS
『Up All Night: Jammin' To The Talking Heads』
 CMH(2005)
即興で曲作りを行っていたこともあってか、ジャム・バンドに信者が多いのなんのって! そんなわけで、アンフリーズ・マギーら総勢12組が集結したトリビュート盤がこちら。白眉はイグジット・クラヴ“This Must Be The Place(Naive Melody)”で、双子姉妹による寸分狂わぬハーモニーの美しさに言葉を失います。
(山西)

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2008年12月11日 11:00

更新: 2008年12月11日 17:35

ソース: 『bounce』 305号(2008/11/25)

文/北爪 啓之、柴田 かずえ、山西 絵美

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