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特集

CHINESE DEMOCRACY

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2008年11月27日 18:00

更新: 2008年11月27日 18:28

ソース: 『bounce』 305号(2008/11/25)

文/増田 勇一

リリース予告から15年の時を経て、いよいよ全貌があきらかに!!

 デビュー作『Appetite For Destruction』が人生最初のベスト盤だとすれば、〈Use Your Illusion〉と名付けられた2枚のアルバム制作意図は手元にあった楽曲の総放出。そしてこのたびのニュー・アルバム『Chinese Democracy』は、それ以来ずっとアクセル・ローズの脳内で蠢いていた妄想を具現化したものと言えるんじゃないだろうか。

 実際、本作は過去のいかなるGN'R作品とも異なっている。多くの人は『Appetite For Destruction』のような作品像を求めているかもしれないが、それは40代のアクセルに〈20年前に戻れ〉と要求するようなもので、無理な注文でしかない。だが、相変わらずその歌声にはどこか苛立ちや焦燥めいたものが感じられる。攻撃的な不良少年型ロックこそがGN'Rだと決めつけている人たちには、ここに詰め込まれた楽曲のうち大半が〈リアルじゃないもの〉と解釈されるかもしれないが、エアロスミスや70年代のオリジナル・パンクばかりじゃなく、クイーンやウイングス、いわゆるポップ・ミュージックも広く愛してきたアクセルが成熟期を迎えて創造した作品としては、実に頷ける内容だ。

 確かに過剰なほどドラマティックで、大仰な楽曲が占める割合が高いのは事実。しかし、厚く重ねられた音たちは粗さを隠すためではなく、楽曲を彼の描いた理想像を忠実に演出するために存在している。21世紀に突入してから現在までの、すべての歴代メンバーのサウンドが混在しているという事実もまた興味深い。これはまさに、ものすごい人数のキャストと半端じゃない制作費をかけて作られた、〈アクセルの妄想を音源化したサウンドトラック〉なのである。そして、それが極めて刺激的で濃密な音楽作品であることは、もちろん言うまでもない。

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