フューチャー・ポップに恋をした!!!
きっかけはやはりcapsule、中田ヤスタカになるでしょうか。登場時は〈渋谷系チルドレン〉的な認知を受けていた彼は、2005年頃からcapsuleの音楽性をエレクトロ~ハウス方面に大きく転換させ、地道な活動を続けていたPerfumeを通じても良曲を連発していくわけですが、彼女たちの視点に立てば、当初の支持基盤だった秋葉原系(と括るのもナンですが)のファンがそうしたサウンドを支持する素地もこの頃から自然に育まれていったのでしょう。ゲームやアニメで使われる音楽が、古臭いJ-Popの少し先を行くサウンドに貪欲だったことも背景にはあると思います。
また一方では昨今の〈胸キュン・ハウス〉などのように、必ずしもクラブ・ピープルに向けられていないクラブ・ミュージックが男女を問わないリスナーから支持を集め、メロディーやグルーヴの心地良さを重視したダンサブルな音楽が広まっていきます。
そして、こうした複数方面からの動きがどこか一本の流れのように見えはじめたのが2007年のこと。中田はPerfume以外に鈴木亜美やMEGでも逸曲を量産し、元気ロケッツがハウス界隈を席巻、Aira MitsukiやSweet Vacationのような面々も続々とデビューしてきました。もちろん演じ手の魅力もあったのでしょうが、それ以上にそこで鳴らされている〈時代の音〉はもはや出所を問うまでもなくフューチャリスティックでキュートなポップ・ミュージックとして賑やかな輝きを放つようになっています。アイドル、アーティスト、ガーリー、スウィート、オタク、オシャレ、エレクトロ、ハウス、テクノ、ホンモノ、ニセモノ……どうでもいいんで、さっさと未来へいらっしゃい!
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