ONE TIME 4 YOUR MIND 耳で聴いたピープル・トゥリー(2)
ALICIA KEYS
『The Diary Of Alicia Keys』 J/BMG JAPAN(2003)
“Warrior Song”でビートを採用されたことがよほど嬉しかったのか、その後アリシアは“N.Y. State Of Mind”を引用した実質的なナズへのトリビュート曲“Streets Of New York”を発表。NYのストリートを立脚点とする両者の志は根っこの部分で繋がっているのだ。
(高橋)
MILES DAVIS
『Evolution Of The Groove』 ソニー(2007)
“Bridging The Gap”でも言及されているようにナズの父=オル・ダラはマイルスとプレイしたこともある。そんなわけで、この帝王のリミックス企画に招かれたナズは、トランペットを抱えた親父を帯同。ある種の三世代共演を実現させたのだった。
(出嶌)
ERIC B. & RAKIM
『Paid In Full』 4th & Broadway/Island(1987)
NYマナーのオーセンティックなラップ・スタイルを信条とするナズの師範は、もちろんラキム。彼に寄せる深い敬意をクールに綴った“Unauthorized Biography Of Rakim”は間違いなくキャリアを代表する名演のひとつだろう。プロモ・クリップの公開はいつ?
(高橋)
THE GAME
『Doctor's Adovocate』 Geffen(2006)
本作と『Hip Hop Is Dead』に相互客演したナズとゲーム。後者の“Hustlers”では〈95年、『The Chronic』と『Illmatic』のどっちを買おうか迷って、カネが足りなかったから結局どっちも万引きした〉と憧れを吐露。実際に『Illmatic』から多くを学んだ痕跡は彼の作品でも散見できる。そういや50とモメたのも、ナズと共演したがったからだっけ?
(出嶌)
K DUB SHINE
『理由』 ATOMIC BOMB/ソニー(2004)
渋谷のドンは本作の冒頭で21世紀の社会状況に言及し、〈立ち上がるヤツらも少ない数/ラップでやれてんの コッタ エムにナズ〉と闘士ぶりを表明。偏った社会派イメージで見られがちな部分は両者の共通点だろうが、ナズにももう少しK DUBばりのユーモアの発露が許されれば……とも思う。
(出嶌)