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羊毛とおはな

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2008年07月23日 18:00

更新: 2008年07月23日 18:14

文/森 朋之

優しくオーガニックな音像と叙情的な詩世界で注目を浴びるアコースティック・デュオが、〈リビングでの弾き語り〉を想起させるリラクシン・シリーズ〈LIVE IN LIVIMG〉の第2章を発表

  今年1月にバンド形式でのフル・アルバム『こんにちは。』を発表。全国21か所を回るカフェ・ツアーを成功させ、4月にはコリーヌ・ベイリー・レイ作曲、冨田恵一プロデュースによるシングル“手をつないで”をリリース。活動のペース・アップにともない、優しく、オーガニックな音像と叙情的な詩世界をひとつにした音楽性がクローズ・アップされている羊毛とおはな。〈羊毛〉ことギター担当の市川和則、〈おはな〉ことヴォーカル担当の千葉はなによるアコースティック・ユニットである彼らより、早くも今年3作目となるアルバム『LIVE IN LIVING '08』が届けられた。タイトルどおり〈リビングでのライヴ〉を想起させるリラックスした雰囲気のサウンド・メイク、彼らの基本的なスタイルである〈アコギと歌〉を追求したこの作品は、昨年11月より全国展開された『LIVE IN LIVING '07』に続くシリーズの2作目にあたる。

 「特別に目新しいことをやろうと思っていたわけではないんですけど、去年の〈'07〉とは違うものが出来るはずだ、という感じはありました。今年に入ってライヴをたくさんやったことで、ちょっと自信が付いたというか、ひとつ上に行けた感覚があったので」(市川)。

 映画「明日に向って撃て!」のテーマ曲“雨にぬれても”、ジョン・コルトレーンの名演でも知られる“My Favorite Things”、CMソングとしてオンエア中の“Perfect”といったカヴァーにオリジナル曲5曲を加えた本作。ふわりとした空気と凛とした存在感を併せ持つ千葉のヴォーカルと、ひとつひとつのフレーズを有機的に積み重ねていく市川のギターが織り成すインタープレイは、決して押し付けがましくなく、けれど確実に楽曲の世界へとリスナーを引き込んでいく。市川の言葉どおり、確かに彼らは〈ひとつ上の〉音楽表現を獲得したようだ。

 「バンドといっしょにレコーディングした『こんにちは。』はしっかり作り上げていく感じだったから、今回のアルバムとは歌い方も違うんですよね。周りの人からは〈ナチュラルになった〉とか〈素直な歌になった〉って言われます。自分ではよくわからないですけど」(千葉)。

  「〈自然体〉も、ひとつのテーマ」(千葉)という〈LIVE IN LIVING〉シリーズは、ふたりの性格、そのときの気分、環境の変化といった(ある意味、曖昧な)要素も自然と反映されることになる。たとえば〈喜んで 悲しんで 怒って 楽しんだあとは/君にも 会いに行けるよ〉というフレーズに関して言うと――。

 「1日1日、すごく気分が違うんですよ、私。たぶん、喜怒哀楽の起伏が人よりも激しい。だから、イヤなことがあったときは、寝る前に〈明日はいい日になりますように〉って祈ったりして……ちょっと暗いのかも(笑)。羊毛さんは逆なんですよね。すごいインドア派で、ずっと暗い部屋にいたりするのに、心のなかはとても明るい。それは曲にも出てると思いますね」(千葉)。

 「〈暗い部屋〉とかは関係ないと思うんですけど(笑)、確かにマイナー・キーの曲はほとんど作らないですね。メジャーのキーではじまって、途中で切ない感じになって、最後は明るいところに戻ってくるパターンがすごく多いので。ハッピーエンドが好きなのかもしれない」(市川)。

 「使ったことのない楽器を入れてみたいし、必ずしもギターが入ってなくてもいい。そういう意味では、やりたいことは増えてます」(市川)という羊毛とおはな。音楽的な表現の幅を広げながら、彼らの音楽がもたらす〈こんがらがった気持ちを解きほぐし、気分を柔らかくしてくれる〉という効果はきっと、今後はさらに増していくことだろう。

 「CDを出すようになってわかったんですけど、聴いてくれてる人に対する影響って、ホントに大きいと思うんですよ。できればこれからも、良い影響を与えていけたらいいなって思ってます」(千葉)。

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