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特集

耳で聴いたピープル・トゥリー(2)

9 THE GOOD-BYE
『Good Vibrations』
 ビクター(1984)
日本が誇る稀代のポップ・バンドは、ジャケも表題もまんまな本作でオマージュを……というか、ジェフ・リン的な一手間を加えるセンスは彼らならでは。BB5ファンなら“YOU惑-MAY惑”と“LOVE AGAIN”あたりにスマイルを禁じ得ないでしょ。なお、後年の曾我泰久は健'zと共に“Surf's Up”のカヴァーを披露している。
(出嶌)

10 JACK JOHNSON
『Sleep Through The Static』
 Brushfire/Universal(2008)
ある一定の世代より上の方は、〈サーフ・ミュージック〉といえばビーチ・ボーイズのテケテケな音を思い描くかと思いますが、いまはこちらのアコースティックな音が主流。でも、サーフィンを題材にした歌モノを最初に発表したのがビーチ・ボーイズなわけで、彼らがいなかったら……なんてちょっと強引すぎ?
(山西)

11 大滝詠一
『ナイアガラ・カレンダー』
 ナイアガラ/ソニー(2008)
音楽面だけでなく、いろいろな意味で〈日本版ブライアン〉と呼びたくなるお方。いくつかの曲でビーチ・ボーイズ・マニアぶりを発揮しているが、本作収録の“泳げカナヅチ君”は、彼らを含むサーフ・ミュージック全体への敬愛を“およげ!たいやきくん”の換骨奪胎という荒技で炸裂させた、アクロバティックな傑作。
(北爪)

12 BRUCE SPRINGSTEEN
『Magic』
 Columbia(2007)
ビーチ・ボーイズを死ぬほど愛しているボスは、本作で彼らへのオマージュ曲を披露。それも『Pet Sounds』への真っ直ぐな思いを乗せた曲だから感心しちゃう。そういや昔、 ビーチ・ボーイズが逆にボスっぽいことをやろうとして“Getcha Back”なんて曲を作りましたっけ。ロックは転がり続けるんですよね。
(桑原)

13 LUSHLIFE
『Order Of Operations』
 Scenario(2006)
このビートメイカーが作ったカニエ・ウェストと『Pet Sounds』のマッシュアップが、20万件以上のダウンロードを記録したことも記憶に新しいですが、ヒップホップ嫌いのブライアンはなかなかサンプリングの使用許可を与えないようで……音楽ファンとしては正規盤でのリサイクル作品が聴きたいところ。
(山西)

14 THE RUTLES
『The Rutles』
 Virgin(1978)
70年代の一時期だけビーチ・ボーイズに在籍したリッキー・ファターが、その後に史上最高のビートルズ・パロディー・バンドであるラトルズのスティッグ・オハラ(ジョージ・ハリスン)役を務めていたことは、意外に知られていないオモロイ事実。妙なところで繋がるビーチ・ボーイズとビートルズの奇縁。
(北爪)

15 反町隆史
『BEST of BEST』
 ユニバーサル
直球なタイトルに驚かされたTVドラマ「ビーチボーイズ」(ロケ地:千葉)で主役を務めた彼は、リッチー・サンボラを従えた主題歌“Forever”で歌手デビュー。独特の歌唱が夏の暑さを想起させる点ではまさにビーチ風? なお、あのドラマ以降の竹之内豊がヒゲを伸ばしてたのはデニスの影響らしいな(うそ)。
(出嶌)

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2008年07月23日 11:00

更新: 2008年07月23日 17:36

ソース: 『bounce』 300号(2008/6/25)

文/北爪 啓之、桑原 シロー、出嶌 孝次、山西 絵美

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