アナタの耳と心を惹きつける、ステキな歌もの作品ガイド(2)
Ailie 『風の歌』 ジェネオン(2008)
山下達郎ばりのふわ~っとしたメロウ・ヴォイスの持ち主で、特にDUB SENSEMANIAやFRISCOといったバンドとの絡みで威力を発揮してきた彼。レーベル移籍を経て登場した本シングルも、生の質感を大事にしたサウンドが耳を優しく撫でる。なお、タイトル曲は小森田実のペンによるもので、J-Popファンにもアピールできるキャッチーな仕上がりに。
(山西)
M'LONIE 『M'lonie』 ESCAPE 2 DANCEHALL(2008)
HEMO+MOOFIREがプロデュースする、幼げな声と時折漏れる吐息がなんともセクシーなメロニーの初作。滑らかな歌声とベスト・マッチングなキラキラとしたトラックが満載で、大切な人といっしょに聴くのにも最適かと。ノラ・ジョーンズ“Sunrise”やシャーデー“Love Is Stronger Than Pride”など、カヴァーの出来も秀逸です。
(カシワ)
ALAINE 『Sacrifice』 Don Corleon(2007)
現行シーンのトップに君臨するプロデューサー、ドン・コルレオーンの秘蔵っ子による初作。US生まれのジャマイカ育ちで、幼い頃からピアノを習い、子役としても活躍……という出自も納得な、R&B寄りの洗練された歌唱スタイルが魅力的。澄み切ったハイトーン・ヴォイスは、ドン製の下世話なビートに乗ってもどこか上品な印象を残してくれる。
(山西)
HALF PINT 『No Stress Express』 Perpetual/Universal(2008)
80年代から活動を続け、“Greetings”など多数のヒットを持つゆえにジャンルを超えたコラボも目立つ御大。本作はスライ&ロビー制作の純正レゲエもガッチリ装備する一方で、ジャック・マネス(元サブライム)らを招いたUS西海岸仕様のユル~いロック・サウンドにも果敢にチャレンジしてみせた意欲作だ。Let'sチルアウト!
(カシワ)
Rickie-G 『am 08:59』 RIDDIM ZONE(2008)
日本人離れしたグルーヴ感とソウルフルな歌声でレゲエ・フィールドをあっさり飛び越え、多くのミュージック・ラヴァーから熱烈に支持されているRickie-G。本ファースト・アルバムではアコースティックな質感を持ったサウンドを軸に、ラブソングから人生賛歌までを等身大の言葉で温かく紡いでいます。その自由度の高い仕上がりに完全降伏!
(西尾)
BRICK & LACE 『Love Is Wicked』 Konlive/Geffen(2007)
ジュラシック5やオービー・トライス作品への参加や、ジャマイカ本国での精力的なシングル・リリースで名を上げてきた美人姉妹が、エイコン主宰のレーベルから発表したデビュー作。ダンスホール、R&B──そのどちらとも取れない今様のハイブリッド・サウンドがかなり刺激的で、ウィル・アイ・アムとのコンビもキマッてます!
(山西)
PUSHIM 『RAINBOW』 NeOSITE/キューン(2008)
倖田來未のプロデュースをはじめ、ますます活動範囲を広げているPUSHIM。彼女の最新シングルは、盟友のDJ HAZIMEとタッグを組んだラヴソングだ。シンプルなビートが効いた感動系のミディアムで、それこそ合唱コンクール仕様にもなり得るスタンダードな出来。でも、デジタル加工された声を挿むなど、遊びを忘れないあたりは流石です。
(山西)
VARIOUS ARTISTS 『All Stars Inna De Yard』 Makasound/PIAS
アール・チナ・スミス、ジュニア・マーヴィン、キダス・Iといった重鎮の慈味深い声をアコースティック・サウンドでもてなすという名シリーズの編集盤。派手さはないが、紡ぎ出されるメロディーはどれも絶品。オーガニック・ロック好きからも支持されている一枚だけに、本特集にグッときた人はマストでゲットして!
(カシワ)