PLANET OF THE SUPER APE 耳で聴いたピープル・トゥリー(2)
FRANK ZAPPA & THE MOTHERS OF INVENTION
『Weasels Ripped My Flesh』 Rykodisc/ビデオアーツ(1970)
マジカルな手捌きでもって壮大な宇宙を創出することができるリーとザッパ。独特のスタジオ・ワークを駆使し、フィジカルなサウンドをクリエイトするって点が共通項か。多作家同士だし、どちらもインプレッシヴなヒゲをお生やしになられてて……とにかく20世紀が生んだ天才音楽家たちなんだな。
(桑原)
MARK STEWART
『Edit』 Freaks R Us(2008)
活動初期からダブへの猛烈アタックを見せたマークも、リー門下生のひとり。師匠の新作ではA・サルヴァドール名義で“Political Confusion”のソングライティングを担当。ON-U周辺作品など同じアルバム内にクレジットされることは多々あっても、共同作業は初なのでは!? 次はぜひとも本名でがっつり手合わせを!
(山西)
MANTRONIX
『The Album』 Sleeping Bag/Warlock(1985)
仕事量は多いながらも、〈無礼なヤツとは絶対に組まない!〉ことを心情にしているリー。本作でエレクトロ・ヒップホップを確立させた彼らは、翌年新たなアイデアを引き出すべくリーに大接近。が、あっさり斬り捨てられたとか。サウンドの相性は良さそうなんですけどね。
(山西)
THE CHI-LITES
『(For God's Sake)Give More Power To The People』 Brunswick(1971)
カーティス・ナンバーをたびたび取り上げるなど、シカゴ・ソウルを好物としていたリー。なかでも今作の表題曲には衝撃を受けた模様で、“Station Underground New”にて一節を(いまで言う)サンプリングしてみたり、テンポを落として丸ごとカヴァーしてみたり、再利用しまくり!
(山西)
ZUCO 103
『Whaa!』 Zirguiboom/Crammed(2005)
グルーヴィーなブラジリアン・サウンドを得意とするオランダの多国籍音楽集団の輪にリー御大が飛び込み、2つのレゲエ・チューンでヴォイシング。何よりも雑食性をモットーとしているこのトリオ。その胃袋のデカさに感心し、参加を快諾したことが容易に想像できる。
(桑原)
ANDREW W.K.
『Close Calls With Brick Walls』 R Jayne(2006)
素晴らしい新作を届けてくれたばかりのリーですが、すでに8月には次作のリリースを控えているとのこと。で、驚くべきことにそこでの相棒がアンドリュー兄貴というではないですか! 各種電子音楽を食い尽くした後は、まさかのハード・ロックに移行……か? 老いてますます動向が読めなくなったリーから目を離すな!
(山西)