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特集

COMING DOWN TO EARTH!! 多彩なアイデアで地球人を踊らせるブラック・エイリアンを紹介!

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2008年06月19日 11:00

更新: 2008年06月19日 17:00

ソース: 『bounce』 299号(2008/5/25)

文/出嶌 孝次

 ほら、あそこにも、あそこにも。あなたの隣の方、その人も宇宙人かも知れませんよ……と、ルパーツ星人風に書き出してはみたが、いくら地球上に宇宙人が大勢降り立っていると言われても、われわれの目から見て識別することはなかなかに難しい。が、ある種の偉大なアーティスト、とりわけ黒人アーティストのなかには、宇宙生まれであることを教えてくれる人もいる。

 95年製作のドキュメンタリー「マザーシップ・コネクション:ラスト・エンジェル・オブ・ヒストリー」を観れば、宇宙的なアフロ・フューチャリズムと黒人音楽の密接な関係がよくわかるが、その冒頭でデリック・メイがインスピレーションを受信したと語る3人のアーティストこそ、まさしく宇宙人だ。すなわち、土星生まれの宇宙観を示したサン・ラー、ユーモア仕掛けのブラックSFを描き出したジョージ・クリントン、そして黒い方舟を操ったリー・ペリー。彼らを奇人扱いするのはたやすいが、重要なのは3人が共通して肉体性の高い音楽を提示してきたことだろう。つまり、宇宙サイズにまで解放/拡張された精神がしっかり地上の音楽として具現化され、実にアーシーなエナジーの沸騰へと直結していたということだ。ちなみにこの3人は優れたアウトプットとなる地球人たち(の歌声や演奏)を選び抜く審美眼があった点でも共通している。

 そういう意味では、アフリカ・バンバータも優れた宇宙人だと言えるし、ジェフ・ミルズやマッド・マイクといったUR勢に宇宙人が多いのも何となくわかる。4ヒーローやバグズ・イン・ジ・アティックといったスピリチュアルな面々もそこに連ねていい。ただの狂気や妄想に宇宙を感じるのではない。優れて宇宙的なアーティストは、いずれも非常に現実的で親しみやすい音楽を届けてくれる。その想像を超えたスケール感や広大無辺のアイデア、風呂敷のデカさにイモータルな何かを感じた時に、われわれは宇宙へと連れて行かれるのだ。

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