SEAN GARRETT(2)
チャートのTOP3を独占した
ショーン・ギャレットという名前に聞き覚えのない人はいるかもしれないが、彼の書いた曲を聴いたことがないという人は恐らくいないんじゃないだろうか? これまでショーンがさまざまなアーティストに提供した楽曲は、実に8000万枚以上のアルバム・セールスに貢献、グラミー賞には計4度もノミネートされている。
「自分が手掛けた曲で最初に大ヒットしたのは、アッシャーの“Yeah!”。あの曲のおかげでいろんな方向にキャリアが展開しはじめたんだ。あと、クリス・ブラウンの“Run It!”はプロデューサー仲間の間でも刺激的な一曲だったんじゃないかな? なぜなら、“Yeah!”が大ヒットした後には〈彼はこれで終わりだよ。もうあんなヒット曲は書けないだろ〉って言われてたからね。そして、2006年には僕の書いた曲が全米チャートの1位から3位までを独占することになったんだ。ネリーの“Grillz”、ビヨンセの“Check On It”、そしてクリス“Run It!”の3曲さ。それ以外では、エンリケ・イグレシアスに書いた“Do You Know(The Ping Pong Song)”も大切な曲だよ」。
これほどの実績を誇るヒット請負人が自分のアルバムを作ったらいったいどんなことになるのか、考えただけでもワクワクさせられる。残念ながら本稿の執筆時点で手元に届いているのは全収録曲中の6曲のみなのだが、他人のためではなく自分のために書いた曲を歌うショーンの声は瑞々しい衝動に溢れていて、アルバムの制作に際して彼がどのようなテンションで臨んだのかも手に取るように伝わってくるはずだ。
「これは実際にリリースが決まる前から考えていたことなんだけど……もし自分のアルバムを出すことが決まったなら、マイケル・ジャクソンの『Off The Wall』や『Thriller』のように、誰からも愛されるアルバムを作りたいと思ってた。最初から最後までじっくり聴けるものに仕上げて、そのなかでお気に入りになる曲が最低6、7曲はあるようなアルバムだね」。
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