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特集

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2008年06月19日 10:00

更新: 2008年06月19日 16:40

ソース: 『bounce』 299号(2008/5/25)

文/高橋 芳朗

人は成長すべきだ

  題して『Here I Stand』。このシンプルで力強いタイトルにすべてが集約されている。記録づくめだった前作『Confessions』で築き上げたステイタスに対する圧倒的な自負。30歳という新たな節目を目前に控えての静かなる決意。結婚と第一子の誕生に伴う、夫/父親としての真摯な覚悟。そして、ファンの膨張しきった期待感を真正面から受け止める余裕と自信――Mrエンターテイメント、アッシャーが帰ってきた。

「この4年の間、俺はどうやって愛と向き合うべきか、愛についてどんな決断を下すべきなのかを考え続けた。人間っていうのはグロウ・ダウンするんじゃなくグロウ・アップすべきだろ? 成長を遂げるにつれて必然的に会話の内容も変わってくるはずだし、ファンのみんなも俺のストーリーに新たな場所から耳を傾けてくれると思うんだ。もちろん若いオーディエンスが楽しめる曲も用意してあるけど、今回のアルバムをとおして俺がみんなに話したいストーリーは愛に関するものなんだ」。

 誘惑と決断、そして成長をテーマとするアルバムのイントロダクションとして機能するのが、アッシャーにとって8曲目の全米No.1ヒットになったポロウ・ダ・ドン制作/ヤング・ジーズィ参加の先行シングル“Love In This Club”だ。2008年の気分を完璧に捉えたトランシーなシンセ・リフは、リアーナ“Umbrella”のドラム・ブレイクと同様に、アップル社の音楽制作ソフトウェア〈GarageBand〉のプリセット音源からの引用になる。

「“Love In This Club”のコンセプトはプロモ・クリップで描かれたとおり、クラブで誘惑された時にどうやって対応すべきなのか、ということ。俺の場合はその誘惑に反応してしまって、結果的に大きなダメージを被ることになるんだけどね。クリップのエンディングはクラブが焼き尽くされてるシーンになるんだけど、その廃墟と化したクラブこそが、誤った選択をしたことへの動揺や失望を象徴しているんだ」。
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