ブリストル史に燦然と輝く絶対にハズせない名盤はコレだ! 後編(2)
D*NOTE
『Babel』 Dorado(1994)
Dキーで作られた60'sジャズをよくプレイしてたというドラドのレーベル・オーナー、マット・ウィンを中心としたニュー・ジャズ・ユニットの初作。クラシックの素養もチラつかせつつそこにラップを乗せてみるなど、〈過去〉と〈現在〉を折衷することで未来のサウンドを提示している。
(山西)
TRICKY
『Maxinquaye』 Island(1995)
この粘着性の高さはどこをどう切ってもブリストル。マッシヴの面々とワイルド・バンチ時代から関わってきただけあって、本作はその延長線上の音だが、彼自身が孕んでいる暴力性も随所で垣間見られ、そこに絡む幻想的なマルティナ嬢の歌声とのハマり具合は特筆すべきもの。
(池田)
UP, BUSTLE & OUT
『Light 'Em Up, Blow 'Em Out』 Ninja Tune(1997)
ジプシーの血を引く彼らは、スペインからインド、チベットまで国境を越えたボーダレスなブレイクビーツを聴かせ、同郷の仲間とは一線を画する存在。ニンジャ・チューンからの2枚目となる本作は、カラっとしていながらどこか陰を感じさせるのが魅力的だ。
(池田)
MORE ROCKERS
『Selection 2』 More Rockers(1998)
ダビーでソウルフルなジャングルといえば、ピーターD・ローズとロブ・スミスによるこのユニットを差し置くわけにはいかない! ディープなベースラインとメロウなヴォーカルのブレンドが心地良く、ときおり漂う湿り気のあるメロディーが同地らしさを運んでくれる。
(青木)
FLYING SAUCER ATTACK
『Further』 Drag City(1995)
アナログ・シンセ、フィードバック・ノイズ、生ギターなどが濃霧のように煙る、強烈に夢幻的な音響世界を構築した男女ユニット。同地の本流であるダブ~トリップ・ホップとは一味違う、独自の揺らめくような酩酊感を持ったサウンドは、シューゲイザーやシカゴ音響派にも通じる。
(北爪)
WAY OUT WEST
『Way Out West』 Deconstruction(1996)
ダルなムードとは無縁の陽性プログレッシヴ・ハウス/トランスを聴かせる彼らも、実はブリストルっ子! やや意外な気もするが、本文で触れられているダイとの絡みやロニ・サイズ“Share The Fall”のリミックスを手掛けるなど、地元の顔役たちともしっかりリンク!
(山西)
ALPHA
『Come From Heaven』 Melankolic/Virgin(1997)
マッシヴのエンジニア2人が結成したユニットの初作。クールに揺らめくトラックと叙情的な旋律は、ダーク&ビターな歴史を辿ってきた同地のサウンドにはない無垢な美しさを湛えている。ジャズ臭濃厚なヴォーカルも特徴的で、優しさと官能に満ちた逸品。
(池田)
KRUST
『Coded Language』 Coded Language(1999)
卓越したプロダクション・スキルで個性的なドラムンベースをクリエイトするクラスト。彼の作品はスペイシー、スピリチュアル、ヒプノティックという特徴を持っているが、このアルバムでもそれらは顕著に表れている。職人気質なところもブリストル的なのでは?
(青木)