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本隊休業中も常に存在感を発揮していた3人

 本隊の沈黙中、もちろん3人が隠遁していたわけじゃない。特にジェフ・バーロウとエイドリアン・アトリーはマイペースに痕跡を残しながら、ポーティス復活への期待を適度に引っ張ってきていたのだ。まず、グループの頭脳たるジェフはファズフェイスの変名で(ステファニー・)マッケイの『McKay』をティム・ソウル(アースリング)と共同制作したり、エイドリアンと共にコーラルの酩酊盤を手掛けていたのが目立ったところ。マラカイを送り出したインヴァダの舵取りも興味深い。一方のエイドリアンはわりと身軽に多方面で活躍し、ブレイクビート・エラやゴールドフラップなどの地縁モノはもちろん、元ベル&セバスチャンのイソベル・キャンベル、マリアンヌ・フェイスフル、アリソン・モイエらどことなく〈ポーティス感〉強めな女性陣をギターやモーグでバックアップしてきた。で、ラスティン・マンと組んだ別掲作もあるベス・ギボンズは、〈気怠い英国女〉の先達にあたるジェーン・バーキンのアルバムに2作続けて招かれている点に妙に納得。逆に20組以上の女性アクトが集ったアニー・レノックス“Sing”への参加は意外だが、こちらも相当に寡作ではある。こんなふうにマイペースな3人だからして、10年ぐらい待たせて当然なのかもしれない。
▼ポーティスヘッドのメンバーが関与した作品を一部紹介。

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2008年05月22日 10:00

更新: 2008年05月22日 17:24

ソース: 『bounce』 298号(2008/4/25)

文/出嶌 孝次

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