B.I.Ps -Bristol Important Persons(2)
RONI SIZE
ドラムンベースの現場に必要不可欠なDJ/プロデューサー。90年代に入り、フレッシュ4のクラストとサヴ、そしてダイらとチームアップし、93年にフル・サイクルを設立。ブレイクビート・エラなど多名義を使い分け、フル・サイクルとVをベースに複数のレーベルからアンセムを連発していく。なかでも上述の4人にダイナマイトMCらを加えたレプラゼントは人気が高く、ジャングルをアップグレードさせた97年作『New Forms』で〈マーキュリー音楽賞〉を獲得。その後も長きに渡ってフロアをロックし続け、『Touching Down』や『Return To V』などソロ・アルバムも精力的に制作している。また、ロニみずからエディットし直し、新曲も追加した『New Forms 2』がまもなく到着する予定だ。ちなみに、圧倒的な迫力を湛えるレプラゼントのライヴも復活させているとのこと。
(栗原)
ブレイクビート・エラの99年作『Ultra-Obscene』(1500/XL)
FLYNN & FLORA
クラストの実兄であり、フレッシュ4の一員でもあり、トリッキーとは同級生同士でもあるフリンと、地元でカフェを経営していた弟をパイプにワイルド・バンチと親交を深めていたフローラが結成したユニット。90年代初頭からDJやトラック制作を行うようになり、96年にジャングルの大名盤『Native Drums』でアルバム・デビューを飾る。以降は2001年に『Back Ground』、2006年に『Bristol By Moonlight』と5年周期で新作を発表しているほか、昨年はトロピカル・フィッシュなる新プロジェクトも始動。また、97年にスタートし、現在も継続中の主宰イヴェント〈Versatility〉ではいち早くピンチらテクトニック周辺アーティストを出演させるなど、新たな才能のバックアップも積極的に行っている。
(山西)
TIM SAUL
ポーティスヘッド『Dummy』にも関与しているクリエイターで、大のレコード・コレクターでもある彼。ジェフ・バーロウとは互いの皿自慢をするだけに飽き足らず、マッケイ『McKay』を共同でプロデュースしたりも。また裏方として腕を振るう一方、自身がリーダーを務めるアースリングでは94年発表の初作『Rader』を経て97年にEMIと契約を結び、ドアーズのレイ・マンザレクをゲストに迎えてアルバム『Humandust』も制作。しかし、あまりにダークな内容だったせいでお蔵入りしてしまう。そんな同作が2004年に突如リリースされたことは記憶に新しいだろう。
(山西)
BANKSY
74年生まれ、ブリストル出身とされているグラフィティー・ライター。90年代半ばより活動を始めた彼は、政治色の濃い絵を残したり、世界各地の有名美術館で自身の作品を無断展示したり、パリス・ヒルトンの2007年作『Paris』の偽物をバラまいたりと、過激なパフォーマンスも話題を呼んでいる。また、徹底してストリートにこだわるがゆえ、過去にはマッシヴ・アタックからのアートワーク依頼を断ったことも。ただし、ブラー『Think Tank』に関しては作品に込められた反戦メッセージに共感したため、すんなり引き受けたそう。
(山西)