こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

特集

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2008年04月10日 11:00

更新: 2008年04月10日 17:54

ソース: 『bounce』 297号(2008/3/25)

文/冨田 明宏


  〈フジロック〉最終日の〈RED MARQUEE〉でのステージや、昨年末の単独公演を幸運にも観ることができた人なら、マンチェスター出身のウィップが発信するダンス・ロックにシーンの未来を予見できたはず。彼らの音楽には特別なテクニックや難しい機材など一切必要ない。なぜなら、この4人組は〈ミュージシャン〉というより、〈オーディエンス〉の視点で音楽を発信する存在だからだ。ゆえにロックとしても、クラブ・ミュージックとしても作法はむちゃくちゃ。だからこそ、奇抜なビートのカットアップや奇妙に歪んだチープなアナログ・シンセ、ディストーションを利かせたベース、合唱系のメロディー&コーラスなどなど、時代もジャンルも超越したオリジナルな音を生むことができたといえよう。バンドの音源はすでにコンピ・シリーズ〈Kitsune Maison〉経由でヨーロッパ各地のクラブDJがスピンし、話題を呼んでいるが、ファットボーイ・スリムのレーベルから登場したこのデビュー・アルバム『X Marks Destination』でその人気はさらに高まることと思う。ちなみにプロデュースを手掛けたのは、アークティック・モンキーズやカサビアン仕事で一躍時代の寵児となった……というよりも本特集的にはシミアン・モバイル・ディスコの……と説明したほうが相応しいだろう、かのジム・アビス。反則的な快楽性とリアルな音楽性を激しく駆動させ、いざ世界制覇をめざす!


2007年にリリースされたウィップの日本限定EP『Sister Jam』(KSR)

インタビュー