ディスクガイド
HOT CHIP
『Made In The Dark』 EMI UK(2008)
クラフトワークからリミックスを依頼されるなど、クラブ人脈からのラヴコールも絶えない彼ら。しかし意外にもこの最新作はロング・テイクで録音され、ライヴ感に重きを置いた一枚となっている。そんなロック・バンドらしさを披露する一方、巧みに電子音を操ることで従来のフロアライクな音もきっちり装備。なんかもう、次元が違います!
(平塚)
PISTOLAS
『Love The Dancefloor』 Fifty One(2008)
先日の初来日公演も大盛り上がりを見せたUKはノリッジ出身の5人組による日本限定のEP盤。アークティック・モンキーズ仕事で知られるジェイムズ・ルイスをプロデューサーに迎え、LCDサウンドシステムやESGを彷彿とさせるフロア騒然の強靭なビートを開陳。特大アンセム級ナンバーの連続射撃で、ダンス・ロック・シーンに風穴を開ける!
(白神)
DELUKA
『Broken Sleeping Patterns』 Deluka/FABTONE(2008)
UKはバーミンガムで活動するとあるDJが、カイリー・ミノーグ級のキッチュな歌声を持つ女の子と出会ったことからスタートしたユニット。レトロ・フューチャーな4つ打ちビートに合わせてシンセ音が乱反射!? シーンを熟知しているDJだからこそ作り得たイノセントなダンス・ロックは、まさにミラーボールの如き輝きを放っている。
(柴田)
CIRCUITS
『Bright As Midnight』 Try Science/LilBallet(2008)
レゲエのビートを電気仕掛けでフロアに注入したロンドン発の4人組アート・ロッカー。〈え? レゲエ!?〉と思われた方、勘が鋭い! ディスコ・パンクなサウンドが圧倒的多数を占めるシーンにおいて、どう考えても彼らの音は浮きまくっているのです。ちなみに、そのレゲエへのアプローチ方法や距離感は、クラッシュというよりもポリス的。
(平塚)
NEON NEON
『Stainless Style』 Lex/HOSTESS(2008)
ラー・バンド風のスカスカ電化ファンク“Raquel”のヒットも記憶に新しい彼らは、スーパー・ファーリー・アニマルズのフロントマン=グラフ・リースと、アンチコンのDJであるブーム・ビップによるユニット。スリリング極まりない摩訶不思議なエレポップが実に新鮮で、ゲストにスパンク・ロック、ヨー・マジェスティらが参加した最高にゴキゲンな一枚!
(冨田)
ESKIMO DISCO
『Robots And Laptop Dancers Make Good Friends』 54/Third-Ear(2008)
デビュー・ライヴが世界屈指の巨大フェス〈グラストンベリー〉というロンドン発の規格外なエレポップ・トリオが放った初作は、1曲目からライヴ音源という強気な一枚。80's臭プンプンの猥雑ビートが逆に新鮮で、ロボコンが身体をカクカクしながら楽しそうに踊っている絵すら浮かんでくる。ジャケもわかりやすくて良し!
(柴田)
LEVELLOAD
『Yellow Fever』 Levelload/Flightpath Records & Tours(2008)
にしおかすみこ似の日本人女性(ベース/ヴォーカル)と、イギリス人男性(ギター)から成るロンドン生まれの2人組。ガレージ・サウンドに彩られたヒステリックな歌声に、ソリッドなギター・リフが斬り込まれる。まずはヘッド・バンギングを促すアッパーカットを喰らい、すかさずパンク・ビートの右ストレートでノックダウン!!
(柴田)
PACIFIC!
『Into The Blue』 EMI Sweden(2008)
ロック・バンドの低年齢化が加速するなか、幼馴染み同士の2人が30歳の時に結成したというスウェーデンはストックホルム発の遅咲き新人ユニット。ネオアコ流儀の甘酸っぱいメロディー&ハーモニーに、ニューレイヴ経由のイマ風エレポップをうっかり混ぜてしまったトラック群は、大人こそが楽しむべきロマンティックでダンディーな仕上がりだ。
(山西)
TO MY BOY
『Messages』 Abeno/XL(2008)
リヴァプール出身の2人組は、NME誌で新人バンド・ページを担当していた元編集者(フランツ・フェルディナンドを最初に評価した男!)が立ち上げたレーベル第1弾アクトとしても話題だ。クラフトワークを引き合いに出されるほど奇妙奇天烈なピコポコ・サウンドに、中毒者が続出中。クラクソンズもまんまとその餌食となり、ツアーの前座にいち早く抜擢した!
(白神)