ONE NATION UNDER DENKI GROOVE 耳で聴いたピープル・トゥリー(2)
KRAFTWERK
『Trans-Europe Express』 Capitol(1977)
彼らのマン・マシーン的なミニマリズムはソロ移行後の砂原も含む電気に多大な影響を与えている。電気の“新幹線”は〈ヨーロッパ特急〉を思わせるし、ペダル踏弥(=卓球)の“ツルっとフランス子守歌”は“Tour De France”+チェッカーズへのオマージュ……迂闊にもちょっとおもしろいじゃないか!
(出嶌)
THE STONE ROSES
『The Stone Roses』 Silvertone(1989)
時代の流れもあって、デビュー前後は当然おマンチェ~インディー・ダンス系に興味津々だった電気ども。フリッパーズもそのあたりをサンプリングしてましたが、電気もご多分に漏れず。“人事をつくさず天命を待つ”では“I Am A Resurrection”がウネウネとグルーヴしております。
(出嶌)
川辺ヒロシ
『da.da.da.』 koplatiko(2007)
かつてはTOKYO No.1 SOUL SETと電気なんて遠い存在だと思っていたが……電スチャをきっかけにスタジオ直行→InKの〈出来ちゃった結成〉後はこの初ミックスCDを卓球のレーベルから出すなどの蜜月にある。ニューウェイヴな出自以上に、尋常じゃない酒豪ぶりが共通項か?
(石田)
RYUKYUDISKO
『INSULARHYTHM』 キューン(2007)
当初はネーミングからして電気の曲名みたい……とか思ったもんでした。卓球のplatikから登場し、その折には夢の共作も実現させたテクノ双子。普通にテクノを楽しんで育った世代らしい感性はこのメジャー盤でも健在で、『J-POP』と同じ地平に立つJ-POPなのです。
(出嶌)
コーネリアス
『SENSUOUS』 ワーナー(2006)
電気、スチャダラパーと共に〈平成御三家〉の一角だった(勝手に認定)フリッパーズ・ギター時代を経て、コーネリアスになってからは電気と互いの楽曲をリミックスし合う仲に発展。電気×スチャの“Twilight”をリミックスした際は〈御三家合体!〉と90年代愛好家を狂喜させた。
(石田)
エルマロ
『NOFACE BUTT 2 EYES』 TRAFFIC(2008)
電気と同じく90年代組。會田茂一はLOW IQ 01らと組んでいたACROBAT BUNCHとして『FLASH PAPA MENTHOL』に参加し、以降はエルマロで“虹”をリミックスしたり、砂原とEL-MARINを結成するなど交流は深く長い。新作リリースも同時期とは……縁があるね。
(轟)
SILVETTI
『Spring Rain』 Salsoul(1979)
電気が〈紹介〉した往年の名曲は“Popcorn”から“トランジスタ・ラジオ”まで多いけど、効果が最大だったのは“Shangri-La”で使われた彼の“Spring Rain”(のトム・モウルトン・ミックス)のはず。電気らしからぬロマンティックな詞世界もこの桃源郷から導き出されたのか?
(出嶌)