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電気グルーヴ(4)

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2008年04月03日 11:00

更新: 2008年04月03日 16:44

ソース: 『bounce』 297号(2008/3/25)

文/石田 靖博

完璧に無くし、時間まで忘れ

 しかし、ソロ三昧で過ぎた98年を経て、新作のレコーディング中でもあった99年4月に、突然砂原が脱退を表明。その大きすぎる穴をサポート・メンバーによって補った彼らは、ヨーロッパ・ツアー、そして卓球がスタートした〈WIRE 99〉でのライヴを乗り切っている。そうして卓球と瀧の2人体制で完成させたのが『VOXXX』(2000年)だ。そこには結成当時の電気が漂わせていた〈ハイセンスなナンセンス〉や〈秩序のあるアナーキー〉ぶりを音楽というフォーマットに無理矢理詰め込んだような濃さがあり、またレコーディングが過酷だったことで、当人たちも〈しばらく聴きたくない〉と発言するほどだった。そんな状況もあってか、ライヴ盤の『イルボン2000』とセルフ・トリビュート盤『The Last Supper』をリリースした後、〈WIRE 01〉でのライヴを最後に、電気は活動を休止している。

 とはいえ、それは含みを持たせた実質的な解散などではなく、文字どおりの休止にすぎなかった。テクノ道を突き歩む卓球、瀧道をほっつき歩く瀧、といった3年を経て、2004年3月に突然リリースされた新曲&新録入りのベスト盤『SINGLES and STRIKES』と共に復活の狼煙を上げる。続く2005年には、スチャダラパーと合体して、電気グルーヴ×スチャダラパーとしてのアルバム『電気グルーヴとかスチャダラパー』をリリース。同作では、ほぼ全編に渡って参加する砂原の姿も見られた。そして、2006年に〈フジロック〉登場、2007年に8年ぶりのシングル“少年ヤング”と“モノノケダンス”を連続リリース……と少しずつ歩を進めた彼らが、オリジナルとしては8年ぶりとなるアルバム『J-POP』をいよいよリリースしようとしている。 

 思えば、かつての電気は卓球の音楽表現の場として機能していた。が、ソロなど他のアウトプットもある現在、電気は〈卓球と瀧がやること〉となった。つまり、『VOXXX』以降、CDをリリースする必然性を感じなくなったことで休止を選択した卓球が、あえて電気で作品をリリースするのである。そこに見えるのは、かつての〈ハイセンスなナンセンス〉ぶりが大人の余裕すら含んで復活したような姿かもしれない。分別のある大人が真剣に挑むナンセンス。これからの電気は凄いことになりそうだ。

▼電気グルーヴのシングル。

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