耳で聴いたピープル・トゥリー(2)
9 Taiji All Stars
『FEMME FATALE』 フォーライフ(2007)
髪型や太もも部分をパンパンに張らせたベルボトム、そしてソウルフルな歌唱から〈日本のレ二ー・クラヴィッツ〉なんて呼ばれている佐藤タイジ。birdやhitomiら美人歌姫8人を呼び寄せて自作曲を歌わせた本盤は、まさにモテ男にしか作り得ない一枚であり、〈USのタイジ〉もさぞかし羨ましがっているのでは?
(山口)
10 CINDY BLACKMAN
『Someday』 Highnote(2001)
マルチ・プレイヤーとしてお馴染みのレニーですが、彼のパワフルなライヴはバック・バンドの存在あってこそ! アート・ブレイキーの元で腕を磨いた彼女は、そんなワガママなレニーを支えてきたドラマーだ。リーダー作ではモダン・ジャズを、バンドではバキバキのロックを叩く、レニー同様にマルチな人なのです。
(山西)
11 EARL GREYHOUND
『Soft Targets』 Some(2007)
レイドバックしたサウンドと佇まいから〈ツェッペリンの再来〉なんて騒がれている3人組……おや? 確かレニーの登場時もこんなタタキ文句が付けられていたような!? さておき、ケタ外れにうねるグルーヴとボトムの利いた楽曲の数々には、レニーも嫉妬していることだろう。ぜひいつか共演してくれ!
(山口)
12 SPACE COWBOY
『Big City Nights』 Southern Fried/ソニー(2005)
身体が勝手に反応する昇天級のリフを備えた“Are You Gonna Go My Way”を、プリンスのハウス・カヴァーで知られた彼がカヴァー(日本盤のみ収録)。破壊力ゆえにハウスやトランス方面でリミックスやマッシュアップの定番となっている同曲の、E・クレイグの“R.U. Gonna Go My Way”と並ぶ決定打として。
(出嶌)
13 JAMIROQUAI
『Dynamite』 S2(2005)
こっちの〈スペース・カウボーイ〉は何で載っているのかって? それは黒人音楽への偏愛を白人として音に描写する手法が、レニーとハード・ロックの関係に似ているから……なんてちょっと強引ですかね。でも、ある意味レニーとは対極にいるジャミなのに、本作収録のファンク曲が異様にレニーっぽいのも気になるのよ!
(山西)
14 DUBSENSEMANIA
『Inna di kitchen』 ソニー(2006)
本作にてKeisonとカヴァーした“It Ain't Over 'Til It's Over”は、(彼らがレニーみたいなセレブ香とは真逆のスメルを放っているため)やはり塩辛い仕上りに。しかし、ピアニカがなぞるあのフレーズはどんなに煙たいダブワイズを施そうとも輝きを失うことはなく、かつダブセンの個性を引き出しているのだから不思議!
(山西)
15 VARIOUS ARISTS
『Goin' Home:A Tribute To Fats Domino』 Vanguard(2007)
豪華メンツが参加したファッツ・ドミノのトリビュート盤でも、どうしたって抜群の存在感を放ってしまうレニー。ここではメイシオ・パーカーらJBホーンズを後ろ盾に、“Whole Lotta Loving”でバカ騒ぎ! ニューオーリンズ・ファンクの引き出しも持ち合わせていたとは……冗談抜きで聴いたほうが良いです。
(山西)
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