こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

特集

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2008年02月28日 18:00

ソース: 『bounce』 296号(2008/2/25)

文/金 雄大、出嶌 孝次

CYNE 『Time Being』 Botanica Del Jibaro/Pヴァイン(2003)
シングル集『Collections』が話題となって、ボタニカの名前を日本にも定着させた功労者として忘れちゃいけないのが、2名のプロデューサーとNujabes作品で知られたMC陣から成るサインだ。このファースト・アルバムは作風こそメロディックながらも、ソリッドなメッセージに重きを置いたタイトな仕上がりとなっている。
(出嶌)

CLIMBER 『Downtown Loop』 Botanica Del Jibaro(2004)
BIG JOE&エル・サディークのリミックス仕事も記憶に新しいクライマーは、トラック職人のシフトとチリ育ちの日本人DJであるトッシュのコンビ。近年屈指のインスト・ヒップホップ作品と呼びたいこの処女作では、生音を贅沢にあしらったメランコリックなループがゆらゆらと紡ぎ出すヴァイブに酩酊必至! 気怠くも魅惑的な傑作なのだ。
(出嶌)

VARIOUS ARTISTS 『Jibaro Times Chapter 1 - Infiltrate』 Botanica Del Jibaro(2004)
ボタニカ軍団もいるが、多様なマイアミ地下人脈の登用にこそ注目したいコンピ。カウンターフロウで活躍したパンダ・ワンやデイヴ・ゲットー、マークのマルコム・カイプ、さらにスーパーソウル&ユダ・マンソン(凄い名前!)、プレフューズお墨付きのエリオット・リップらが繊細な過激さで迫る。
(出嶌)

EPSTEIN 『Punal』 Botanica Del Jibaro(2004)
ボタニカに所属するアーティストのなかでも傑出した実力を誇るエプスタインのファースト・アルバム。アーシーなビートと物悲しいメロディーが渾然一体となって迫り、フォーキーな調べまでも携えたインスト・ヒップホップの最強盤である。ちなみにタイトルを英訳すれば〈Knife〉だそうで、なるほど、ふとした瞬間に発揮される斬れ味は極上だ。
(金)

ANTENNAE 『Exit』 Botanica Del Jibaro(2005)
詩人のストレス、トラックメイカー/プロデューサーであるマニュヴァスとインデュースという3人から成るアンテナの、最初にして最後のアルバム。一聴しただけでは夢見心地な印象だけかもしれないが、耳を傾けるごとに真理を突く言葉と本物の鼓動が言葉の壁を越えて胸に突き刺さってくる。マイアミの地下ヒップホップが生んだ奇跡の一枚だ。
(金)

BOOM & BIRDS 『Camino De Manos Chuecas』 Arepaz(2005)
アレパのアーティスト・アルバム第1弾がこれ。エプスタインことロベルト・カルロス・レンジの本名義でのファースト・アルバムで、ライス・アンド・ビーンズ時代のEP音源も丸ごと収めた大作だ。チルなブレイクビーツ~ダウンテンポをクラウト・ロックのように響かせたりもする、ラテン・パーカッションを強調した作りがイイ!
(出嶌)

EL SANTO 『El Golpe Avisa』 Arepaz(2005)
メキシコには同名の伝説的なプロレスラーもいたが……このエル・サントの正体は、スキマティックでの破滅トロニカな作風で知られたオットー・フォン・シラクの別名義。混淆宗教のサンテリアを意識したという今作でのエクスペリメンタルな混合ぶりも凄まじく痛快だ。暴飲暴食した後に吐いたゲロから宝石が出てきたような美しさ、とか言ってみる。
(出嶌)

SOARSE SPOKEN 『Leadership Midnight』 Botanica Del Jibaro(2006)
代表曲にあたる“Resistance”を収録したファースト・アルバム。BBC自体のメッセージ性をストレートに反映したようなシリアスなラップを披露しつつ、サインやクライマーらに協力を仰いだトラックは気持ち良くレイドバックした雰囲気を巧妙に演出。セヴン・スターやソロ・マンといった仲間の声出しも嬉しい。
(出嶌)

インタビュー