〈北の国から〉とかに毒されているのはわかってるけど、〈北海道のアーティスト〉と聞くとなぜかそこにある種の固定観念を抱いてしまう。とはいえ、ドープネスのなかにロマンティシズムすら浮かばせるO.N.OやWOODBLUEのような先人が〈北のトラックメイカー幻想〉を作り上げてきたのも確かだろう。そして、このMichitaもそういった幻想をより強固にする才能だ。Libyusのコンピ『Listening is Believing vol.2』に収録の“Metronome”で注目を集めた彼は、もともとJFK(MIC JACK PRODUCTION)と活動していたDJなのだが、今回のファースト・アルバム『ONE』は“Metronome”と同じく流麗なピアノをキーにした美曲だらけ。ベタな形容をすれば、冷涼な空気感と温もりに溢れた旋律が雄大なスケールのなかで無垢に広がっている……といった感じか。そんな世界観が他者との交わりでどう色合いを変えるのか、ラップ・アルバムだという次作『TWO』がマジで楽しみだ!
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