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特集

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2008年02月28日 18:00

ソース: 『bounce』 296号(2008/2/25)

文/中埜 英彦、出嶌 孝次

何でもかんでも〈ジャジー〉とか言っちゃうのはアレだけど、ジャズに通じるふくよかなヴァイブだったり、ジャズのネタを強調したループだったり、ミュージシャンにアドリブを与えていたり……そんなソウルフルな作品はこちらです。

SAMON KAWAMURA 『Translations』 Nesola(2007)
コンテンポラリーなジャズ道を歩んでいたティル・ブレナーの突然変異的な名作『Blue Eyed Soul』(2002年)を仕掛けたビート職人の初作。半数以上の楽曲に鍵盤奏者を迎えてリラックスしたジャジー・ビーツを聴かせ、〈ベルリンのJ・ディラ〉と呼びたくなるほどのソウル宇宙へと引きずり込む名盤だ。最近ではジョイ・デナラーニをリミックス。
(出嶌)

NANOFINGERS 『The Game Of Minority』 Liquid Note(2007)
90年代から活動し、AMBIVALENCEらの作品参加やHALFBYらのエンジニアを務めてきたSo Akashiによるプロジェクトのセカンド・アルバム。オリエンタルなネタ使いを効かせた繊細なビート捌きと、生音を巧く加味した劇的なメロディー展開でクセのあるエレクトロニック・ソウルを聴かせる手腕は流石にヴェテランだ。
(中埜)

HIROKI MIZUKAMI 『Keep aLive』 Palette Sounds/メディアファクトリー(2007)
Cradle作品のミックスなども手掛ける多才なピアニストが、そのCradleから瀬戸智樹をプロデューサーに迎えて発表した初のアルバム。DJ FUMIYAもミックスCDにチョイスした“Human Race”など全編がピアノを軸にしたインストで、フルートやヴァイオリンを意欲的に導入した重厚なトラックはどれも完成度が高い。
(中埜)

ARCHETYPE 『Unfolding』 GOON TRAX(2008)
90年代にカンザスで結成されたユニットの2作目にして日本デビュー作。バトルスとの共演経験もあるそうだが……ここに用意されているのは典型的なUS東海岸アンダーグラウンドの音だ。ただ、3人の演奏メンバーを擁しているだけあって、グッとくるメロやスムースなジャズ感覚をスクエアなビートから立ち昇らせる術は秀逸。好盤です!
(出嶌)


MUMBLES 『Transformations/Illuminations』 Sound In Color(2007)
評価の低さが納得できない! US西海岸で古くから活動し、エイシーアローンのプロデュースやゴーン・ビヨンドと組んだS.E.V.A.で知られているマンブルズの初ソロ作だ。タブラやシタールも採り入れた精緻で複雑なビート世界は流石に個性的。そこにシンガーらを配して親しみやすく仕上げたバランス感覚にも注目したい。
(中埜)

SAINT 『About Time』 Pro Se/Domination/GOON TRAX(2008)
エムスキーと組んだグッド・ピープルで一気に名を上げたビートメイカーの新作で、ソウルフルなジャジー・サウンドのお手本とも言えるトラックメイクのセンスは典型的な90'sチルドレンのものだろう。しかし、ここまでクォリティーが高ければ、それはもはや典型じゃない! ムーンシャインらの客演陣の振る舞いがいい湯加減だ。
(中埜)

KEMUI 『BLUE SCREEN』 Pヴァイン(2007)
長いキャリアを誇るMCがようやく到達したファースト・アルバム。漢の“破壊と再生”やRUMIの“あさがえり”などで極上のトラックメイクを披露してきた人でもあるが、今作ではラップに専念し、T. TANAKAやDJ KOHAKUといったMSC周辺の俊英によるジャジーな手捌きにビートを託している。真摯なリリックも相まって聴き心地は実にソウルフル!
(中埜)

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