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特集

Mary J. Blige

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2008年02月21日 12:00

更新: 2008年02月21日 17:27

ソース: 『bounce』 295号(2008/1/25)

文/JAM


  サントラ『Strictly Business』(91年)が初出となる“You Remind Me”でミステリアスなデビューを果たし、R&Bの流れを一変させたファースト・アルバム『What's The 411?』(92年)で全貌を露わにしてから早15年である。〈クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウル〉というデビュー当時のキャッチ・フレーズも懐かしく響くほどに、メアリーJ・ブライジのオリジナル・アルバムもこの年月の間に8枚を数えることとなった。もちろんメアリーほどのシンガーだから、アルバムの枚数を重ねるごとにトピックが生まれ、作品とその周辺には語るべきことがおもしろいように増えていく。しかしながら、本人にとっては不本意としか思えないような、硬直したメアリー評が世間に蔓延っているのもまた事実である。とりわけ、前述した〈クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウル〉というイメージに縛られた紋切り型で彼女が語られる機会はことのほか多い。いまだにそのイメージを被せたままでメアリーを語るのは、現在の彼女の傑物度合いを正確に把握することから遠ざかる行為にしかならないのだが……。代表作がいつまで経っても不動の『What's The 411?』という見方もちょっと腑に落ちない。今回は昨年末にリリースされたニュー・アルバム『Growing Pains』をはじめとする近作に焦点を当てて、現代のメアリー像を新たに定義づけていこうと思う。

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