WORDROBE 07>>08(4)
シューゲイザー
マイ・ブラディ・ヴァレンタインの復活が噂されるなか、多くのシューゲイザー・チルドレンが台頭し、〈ニューゲイザー〉なる言葉も定着。特に注目を集めたのが、アンビエント・サウンドと極美なギター・ノイズを融合させて神秘的な音世界を作り出したウルリッヒ・シュナウスで、彼らが参加したアリエル『The Battle Of Sealand』もヒットを記録した。また、アストロブライトやアーツ&クラフツ所属のヤング・ギャラクシーも新作を発表し……といった具合に、ポスト・ロック~エレクトロニカ界隈に押し寄せたシューゲイザーの波にまだ衰えは見えない!
(白神)
ギャル・スカ・パンク
楽しく踊って歌えるスカ・パンク・サウンドにキュートな女性ヴォーカルを乗せるという、新たなポップ・スタイルを全国に知らしめたYum!Yum!ORANGE。彼らに続けと言わんばかりに、シーンの震源地である名古屋からketchup maniaやGOLLBETTY、midnightPumpkinらが続々と全国区へと飛び出したのが2007年だったといえる。さらに、ムラマサ☆を輩出した大阪や東京など他エリアからもフレッシュなバンドが登場し、ひとつの大きなムーヴメントを作り出した。
(ジョビン)
LAアンダーグラウンド
ビルド・アン・アークなどで活躍するカルロス・ニーニョが展開してきた、ヒップホップ~ジャズ~IDM~ロック~ターンテーブリズムなどを繋ぐアンダーグラウンドな動きがさらに活性化した2007年。その原動力は、サー・ラーやデイデラス、オミッド、フライング・ロータス、マーズ・ヴォルタのメンバーらも出演したパーティー〈Low End Theory〉で、そこから派生したレーベル=アルファ・パップのリリースも堅調だった。今年はもっと大きくなりそうな期待のシーンだ。
(出嶌)
ハウス・バブル
〈乙女〉〈胸キュン〉といった形容が前年から継続され、さらにハウスの一般化が進んだのも2007年の話題だろう。ただ、本来は女子人気の高かったカスケイドやラスマス・フェイバー、DJ KAWASAKIなどのメロディックな作風に対して与えられるユーモラスな形容だったはずが、何でもダメにする悪しきJ-Popマナーによってアウトな呼称となりつつある(それを逆手に取ったテイ・トウワのコンピは流石だった)。一般化自体は評価されるべきだろうが、すべてが一括りにされてしまう状況は危険だと思うね。まあ、ホンモノはバブルとは無縁で残るでしょう。
(出嶌)
- 前の記事: WORDROBE 07>>08(3)
- 次の記事: FROM EDITOR