TREASURES(2)
MILES DAVIS 『The Complete On The Corner Sessions』 Columbia
電気マイルスの最高峰とされる『On The Corner』を縦横から検証し、偉人のアーカイヴ化最終章でもあった重量級のボックス。追って菊地成孔のオマージュ作も登場したように、マイルス探求に終わりはない。
(桑原)
NYC PEECH BOYS 『Life Is Something Special』 Island/Pヴァイン
ラリー・レヴァンが手掛けたダンス・ロック集団による唯一のアルバム! メル・シェレンを悼みながら聴き返すべきガラージ文脈での機能以上に、現行ダンス・ロック好きにもフィットするはずの逸品よ。
(出嶌)
細野晴臣 『ハリー細野 クラウン・イヤーズ1974-1977』 クラウン
日本の音楽王が70年代の〈トロピカル〉時代に残した2作に、伝説の〈横浜中華街ライヴ〉音源&貴重な映像集をプラス。新たな世代も巻き込んで、4枚組ボックスでのリイシューとしては異例のヒットを記録した。
(ジョビン)
THE STALIN 『STOP JAP NAKED』 いぬん堂
遠藤ミチロウ率いる伝説のパンク・バンドが82年に発表した名盤がリイシュー。当時、レコ倫の審査に引っかかって過激な歌詞を修正せざるを得なかったというが、25年の時を経てそのオリジナル・ヴァージョンがついにお目見え!
(ジョビン)
3/3 『3/3』 Pヴァイン
75年にフリクションの前進バンドが制作した幻のアルバムが、未発表ライヴ音源を加えて奇跡のリイシュー。サイケ~ガレージ~プログレが混然一体となったサウンドは、〈この時代にこの国でこんなカッコいいロックがあったんだ!〉と海外でも話題に。
(ジョビン)
WILLIE COLON 『A Man And His Music The Player』 Fania/V2
従来のラテン文脈のみならずヒップホップやハウスのルーツという視点もすっかり定着させ、ファニア再評価熱は安定期へ。なかでもレーベルの顔でもあるこの男のヤバいベスト盤はインパクト十分だった。
(桑原)
『The House Of Muzique』 Muzique
故アルマンドの設立したシカゴ・ハウスの老舗が、再興を経て編み上げた80年代後半の音源集。シカゴ~アシッド回顧も落ち着いてるけど、現代アングラ・ハウスにも通じる不穏な暴動感を浴びたら何も言えません。チンポのデカい現役の音だし。
(出嶌)