LOUD ROCK
よりキャッチーに、より難解に!
アヴェンジド・セヴンフォールドらUSの若手バンドやフィンランド勢の躍進もあり、2006年に続いてメタルが熱い一年であった。また、エモ/パンク界隈では全米1位を獲得したフォール・アウト・ボーイと、そのメンバーであるピート・ウェンツが運営するレーベル=ディケイダンス周辺のバンドがメンストリームで猛威を奮ったが、一方のアンダーグラウンド・シーンでも〈プログレッシヴ・ヘヴィー・ロック〉と呼ばれる実験精神旺盛なバンドが多数現れた。
(粟野)
DAUGHTRY 『Daughtry』 19/RCA
〈アメリカン・アイドル〉出身者のなかでも異色の存在感を放つスキンヘッドの男前。ニッケルバックに通じる王道ハード・ロック・バラードが満載の本デビュー作は、あらゆる世代から圧倒的な支持を獲得し、その結果2007年の全米でもっともヒットしたアルバムとなった。
(粟野)
THE BLOOD BROTHERS 『Young Machetes』 Wichita
先頃、解散を発表した5人組のラスト・アルバム。カオティックかつポップなサウンドを鳴らす彼らは、さまざまなジャンルの要素をブレンドするのがあたりまえになった2007年のパンク/ハードコア・シーンにおけるパイオニア的な存在であった。
(粟野)
LIFETIME 『Lifetime』 Decaydance
ニュージャージーが誇る伝説的メロディック・ハードコア・バンドの復帰作は、フォール・アウト・ボーイのピート・ウェンツが主宰するディケイダンスからのリリース。来日公演では若いファンの姿も多く見られ、彼らが現在のシーンに与えた影響力の大きさを再認識した。
(粟野)
THE HIGHER 『On Fire』 Epitaph
パニック!アット・ザ・ディスコが撒いた〈ダンス・ミュージック+エモ〉の種子があちらこちらで開花した2007年を象徴するバンド。セクシーで夜の匂いを感じさせる〈エモ・ディスコ〉なるジャンルを確立し、メインストリームのポップスとしても通用するサウンドを披露してくれた。
(粟野)
QUEENS OF THE STONE AGE 『Era Valgaris』 Interscope
ジョシュ・オム率いるバンドの5枚目となるアルバム。ストロークスのジュリアン・カサブランカスをはじめとするゲストの豪華さでも話題を呼んだが、シーンの流行り廃りとは関係なしに爆音で鳴らされるブーミーなサウンドが、何よりも痛快だった。
(粟野)
VELVET REVOLVER 『Libertad』 RCA
アクセル・ローズがほのめかしたオリジナル・メンバーでのガンズ・アンド・ローゼズ復活説を真っ向から否定するかのように、確固たるヴェルヴェット節の獲得に成功した2作目。〈ハード・ロック界のドリーム・バンド〉という企画モノ的なイメージを払拭してみせた。
(粟野)
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