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特集

DISCOGRAPHIC T. REX(2)

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2008年01月10日 10:00

更新: 2008年01月10日 17:28

ソース: 『bounce』 294号(2007/12/25)

文/出嶌 孝次

T. REX 『The Slider』
EMI/Edsel/インペリアル(1972)
音も歌詞もジャケも、意味よりフォルムの格好良さを優先して生まれた、全方位的な人懐っこさと不確かな奥深さを感じさせる、傑作というよりは完璧なパッケージ。メタル・グゥルー、テレグラム・サム、チャリオット・チューグル……発語するだけでヤバさがわかる名曲だらけ。

T. REX 『Tanx』
EMI/Edsel/インペリアル(1973)
いわゆる〈絶頂期〉の勢いゆえか、前後の人気シングルを含まないという自信が好作用した野心的な佳作。“Born To Boogie”“Shock Rock”のような定番の爛熟ぶり以上に、サザン・ソウル調の“Broken Hearted Blues”、我流のゴスペル“Left Hand Luke”などがフレッシュだ。

MARC BOLAN & T. REX 『Zinc Alloy And The Hidden Riders Of Tomorrow』 EMI/Edsel/インペリアル(1974)
「仮面ライダー」に着想を得たコンセプト作。グロリア・ジョーンズの導きでソウル音楽の肉体性に影響されつつ、逆に英国人独特のファンク感に辿り着いたようなグルーヴが鮮烈! 新モードに合わせて壮麗なストリングスを奔放に躍らせるヴィスコンティのアレンジも良い。

T. REX 『Bolan's Zip Gun』
EMI/Edsel/インペリアル(1975)
ボランがセルフ・プロデュースに挑んだLA録音作。前作をより簡素に磨き上げた作りにはグラム期とは異なる煌びやかさがあり、グロリア・ジョーンズの歌と鍵盤も好アシスト。勝手に低調作と位置づけられがちだが、いまこそ時代性と切り離して作品性が評価されるべきだろう。

T. REX 『Futuristic Dragon』
EMI/Edsel/インペリアル(1976)
グロリアの出産を経て気合を入れ直したボランのギラギラした復調ぶりが眩しい! やや後退していたメロウネスとここ数作で培ったリズミックなセンスを自然に共存させ、過剰なストリングスやディスコを意識したアレンジとも巧みに融和。万人に推薦したいポップな大傑作だ。

T. REX 『Dandy In The Underworld』
EMI/Edsel/インペリアル(1977)
出来すぎた表題曲に付きまとう神話の類はさておき、再編したメンバーたちとシンプルで骨太なブギー~ロックンロールを披露しまくる作りはひたすら痛快。それでも、パンクスへの共感とも取れる結びの“Teen Riot Structure”の無邪気な騒々しさには笑いながら泣いてしまう。

OTHERDISCOGRAPHIC
ALBUM
『Born To Boogie』(1972)
『The Beginning Of Doves』(1974)

LIVE ALBUM
『Electric Boogie』
『Live At The Boston Gliderdrome』
『Spaceball』
『Cosmic Dancer』

COMPILATION
『Bolan Boogie』
『Great Hits』
『T. Rex Wax Co. Singles A's & B's:1972-77』
『The Best 1000 T. Rex』
『Greatest Hits』
『Singles Box Volume 1:1972-1974』
『Singles Box Volume 2:1975-1978』
『20th Century Superstar 』
『Work In Progress』
『The Final Cuts』 ...and more!

インタビュー