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特集

HIP HOP IS ALIVE 2007 Round 2(2)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2007年12月13日 10:00

更新: 2007年12月13日 15:59

ソース: 『bounce』 293号(2007/11/25)

文/出嶌 孝次

DJ ENVY & RED CAFE
『The Co-Op』
 Koch 
2000年代アタマからトラック・マスターズの配下で活躍し、その後は西海岸のマック10とコネクトするもアルバムはお蔵入り……と、〈期待の新人〉時代が長すぎるレッド・カフェ。DJエンヴィーと組んだこの〈前哨戦〉盤ではファボラスやスタイルズを迎えてNYムードに回帰し、ゴツゴツしたフロウを漲らせている。今度こそアルバムが聴きたくなる力作だ。

FEDERATION
『It's Whateva』
 Southwest Federation/Reprise 
もちろん新人ではないものの、不当なほど知られてないのでここで紹介。個別でもハイフィーの何たるかを体現してきた3MCの才気を、後見人のリック・ロックが超革新的なビートでガッチリと受け止めた2作目。無慈悲なまでにアグレッシヴな突貫ハイフィーに加え、メロウな技も身に付けた大傑作。ベイエリアを超えたスケールのデカさ!

VARIOUS ARTISTS
『Slangin At The Cornerstore』
 Cornerstore/Koch 
骨太さを増す力強いマイク捌きと旺盛なリリース欲でベイエリア・キングのひとりに浮上したメッシー・マーヴが、またもコンピをリリース。キーク・ダ・スニークやE-40のようなヴェテランからナンプやハスラーらの新進まで集める顔役ぶりは大したものだ。ハイフィーだけじゃないベイ・サウンドの多様性も楽しめるぞ!

FOXX
『Street Gossip』
 Trill/Asylum 
前回の特集でも紹介したルイジアナはバトンルージュの最強軍団=トリルから、予想どおりに名乗りを上げてきた若武者のソロ・デビュー作。軍団コンピに収録された中毒性の高いヒット・チューン“Wipe Me Down”をあえて収録していないのも潔いし、身内によるビートだけで突っ走る様子はかつてのキャッシュ・マネーを想起させる格好良さだね!

JHA JHA
『Git It Girl』
 Git It Girl 
ジム・ジョーンズのドープな名曲“What You Been Drankin On?”などでキュートながらもエグいフロウを聴かせてきたディプロマッツの紅一点が、ようやく初のソロ曲集をドロップ。ストリート・アルバムの体裁ではあるけれど、JRライターやマックスBなどクルーの野郎衆を従えて聴かせる中途半端なアネゴっぷりが可愛い! ディプロマッツはハズさないね!

FAMOUZ
『Ghetto Passport』
 World Jam 
上掲のハリケーン・クリスと同じシュリーヴポートから登場し、現在は西海岸の住人だと思しき新進ラッパー。ゲストにE-40やアンク、UGKのバンB、ビリー・クックらをフィーチャーするなど無名らしからぬ豪華さで、主役が見えなくなる瞬間もあるが、ローカル産らしい全方位的な作りを楽しみたいところだ。ボン・ジョヴィ使いの飛び道具にも燃える!

CASSIDY
『B.A.R.S. : The Barry Adrian Reese Story』
 Full Surface/J/BMG JAPAN 
前2作を堂々たる成功に導いているのに、ムショ入りや事故などがあったせいで逆にフレッシュ感が保たれているキャシディ。復帰作となるこの3作目ではネタ使いもゲストの顔ぶれも妙にソウルフルで、復活を祝うような温かい雰囲気が横溢している。そんな意外(?)なムードにも対応するスキルは流石だ。

VARIOUS ARTISTS
『Platinum State』
 Get Low 
メジャー・デビューが噂されているドクター・ドレーの息子=フッド・サージョンの音源をいまのうちにチェックできるコンピ。トラックメイクもラップも担う才能は親父譲りで、“N.W.A.”や“Legacy Continuez”などタイトルからして不敵な楽曲がギスギスと並んでいる。特にビート面はまだまだ粗削りながらもストリート感十分だ。親父より先に出せるか?

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