ヒドゥン・ビーチに隠されたソウルフルな名作群を厳選して紹介! その2
JILL SCOTT 『Beautifully Human : Words And Sounds Vol. 2』 Hidden Beach/Epic(2004)
ライヴ盤に続く2枚目のスタジオ作は、前作からのタッチ・オブ・ジャズ一派(出身者)やジェイムズ・ポイザーといった地元フィリー勢に加え、ラファエル・サディークらも呼び寄せて仕上げた美しく力強いアルバム。数種のリミックスが誕生した“Golden”などでの自信に満ちた歌いっぷりも清々しい。
MIKE PHILLIPS 『Uncommon Denominator』 Hidden Beach/Epic(2005)
R&B~ヒップホップ・アクトからも客演依頼が多いNY出身のジャズ・サックス奏者の2作目。ジル・スコットの最新作でも腕を振るうJRや続投のアイヴァン・デュピーらとタッグを組んだ楽曲は、凡百のスムースジャズとは距離を置く、躍動感に満ち溢れたファンク・ジャズだ。メイズの“We Are One”もプレイ。
BEBE WINANS 『Dream』 TMG/Still Waters/Epic(2005)
クリスマス盤に続いて、ビービー自身が主宰するTMGから発表(スティル・ウォーターズが配給)したソロ作。これまでは世俗寄りのゴスペルに取り組んできた彼だが、ここではキング牧師の演説を織り込むなど硬派な面も見せる。とはいえ、穏やかでいながら熱い歌声は以前のままで、アンジー・ストーンとのソウルフルな共演も披露。
LINA 『The Inner Beauty Movement』 Hidden Beach/Epic(2005)
ビリー・ホリデイやサラ・ヴォーンのようなオールド・ジャズ感を現代のビート上で再現し、不思議系のキュート声で歌うリナ。ヒドゥン・ビーチからの誘いを待っていたかのようなそのレトロ・モダンなスタイルは、いま思うと〈清楚なエイミー・ワインハウス〉という感じも。アンソニー・ハミルトンとの共演も相性抜群だ。
SUNNY HAWKINS 『More Of You』 Still Waters(2007)
ゴスペルの名門・ホーキンズ家に嫁いだ歌姫。旦那のジェイミー・ホーキンズと二人三脚で作り上げた自主盤をスティル・ウォーターズが新装改訂して出し直した今作は、その名のとおりにサニーなインスピレーショナル作品で、活動拠点であるオークランドのファンク・マナーと西海岸らしいフュージョン色が色濃く滲んでいる。
ONITSHA 『Church Girl』 Still Waters(2007)
これまたスティル・ウォーターズ発のゴスペル歌姫。こちらはモンテル・ジョーダン仕事などで知られるシェップ・クロフォードがメインで制作を手掛けた作品で、シェップ独特のドラマティックなバラードからグルーヴィーなミッド・ファンクまでをブランディ似の声で歌う。ココ、デボラ・コックス、メアリー・メアリーとのマイク・リレーも圧巻。