ヒドゥン・ビーチに隠されたソウルフルな名作群を厳選して紹介! その1
JILL SCOTT 『Who Is Jill Scott? : Words And Sounds Vol.1』 Hidden Beach/Epic(2000)
レーベルの記念すべき第1作目にして、ネオ・フィリー・ブームの火付け役となったジルのデビュー作。タッチ・オブ・ジャズ製のメロウなサウンドと幸福な出会いを果たしたジルの歌とポエトリーは、穏やかながらも説得力があり、亜流を寄せ付けないほどの孤高性も感じさせた。“The Way”ほか名曲揃い。
BRENDA RUSSELL 『Paris Rain』 Hidden Beach/Epic(2000)
ジル・スコットと並んでレーベルの幕開けを飾った、ヴェテラン女流シンガー・ソングライター/ピアニストの復帰作。カーク・ウェイラムやイエロー・ジャケッツの面々を迎えたジャズ~フュージョン路線の小粋なアダルト・コンテンポラリー盤で、ヒドゥン・ビーチとブレンダのジャズ感性が見事にフィット。シーラ・Eも参加。
DARIUS RUCKER 『Back To Then』 Hidden Beach/Epic(2002)
フーティ&ザ・ブロウフィッシュのリード・シンガーによる初ソロ作。タッチ・オブ・ジャズやアンタッチャブルズ、ジミー・コージエといった面々を制作陣に招いて、グループ時代の土臭さを偲ばせながらも自身のソウル~ゴスペル・ルーツを引き出してみせている。ジル・スコットやスヌープ・ドッグとの共演もあり。
KINDRED THE FAMILY SOUL 『Surrender To Love』 Hidden Beach/Epic(2003)
ジル・スコットの推薦でヒドゥン・ビーチ入りしたフィリー拠点のおしどり夫婦デュオ。ネオ・フィリー勢総結集的な賑わいも見せた本作は、バンド・サウンドを組み込んだライヴ感溢れるトラックもさることながら、夫妻のこれでもかと言わんばかりの〈どソウル歌唱〉に圧倒されまくる。2年後の次作も力作だ。
VARIOUS ARTISTS 『Hidden Beach Presents Hidden Hits Vol. 1』 Hidden Beach/Epic(2003)
隠れた才能にスポットを当てる〈Back To Front Stage〉というヒドゥン・ビーチの主催した企画から選りすぐりの曲を集めたコンピ。マイロンやキッパー・ジョーンズといった元メジャー所属のリヴェンジ組から、ケヴ・ブラウンらのアンダーグラウンド・ヒップホップ勢、さらにはJRらの逸曲がひしめく。
JEFF BRADSHAW 『Bone Deep』 Hidden Beach/Epic(2004)
ジル・スコットの作品などでまったりとした音色を響かせていたトロンボーン奏者のリーダー作。レーベルメイトのジルやダリアス・ラッカーのほか、フロエトリーやグレン・ルイス、ビラル、エンダンビといったネオ・ソウル勢を招集し、ブラック・ルーツを回顧しながらスムースなジャズ・ファンクを奏でた秀作だ。