JUST LIKE QUEEN
不機嫌な女王、キーシャ・コール
魂の注ぎ込まれたアカペラをスターターに始まる先行シングル“Let It Go”の素晴らしさに、つい何度も聴き惚れてしまう。エムトゥーメイ“Juicy Fruit”をアーバンにネタ使いした同曲は早々とR&Bチャートを制し、キーシャ・コールの第2ラウンドを華やかに盛り上げることとなった。プロデュースを手掛けたのはミッシー・エリオットで、同じサンプリング・ソースを用いたノトーリアスBIG“Juicy”(94年)を意識したのだろう、ミッシーはラップのパートにビギーのラインを引用しているし、もうひとりビギーの恋人だったリル・キムもフィーチャーされている。……で、そこから連想できるのは、その“Juicy”と同じ年に同じバッド・ボーイ軍団が作り上げたマスターピース=メアリーJ・ブライジの『My Life』だ。同作はメアリーにとって2枚目のジンクスを吹き飛ばすものとなったわけだが、先述の“Let It Go”を収めたキーシャのニュー・アルバム『Just Like You』も本人にとっては2枚目のアルバムとなる。これは偶然だろうか?
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