FUTURE OF THE LEFT
想像してみてほしい。もしフランク・ザッパとポール・マッカートニー、そしてレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンがいっしょにバンドを組んだとしたらどんな音を鳴らすのだろうか、と。そんなこと想像できないって? しかしウェールズのハードコア・バンド、マクラスキーの頭脳が新たに結成させたこの新バンドは、まさにそんな音を発しているのだ。独特の乾いたギターとブ厚いベース、変拍子炸裂で音割れしまくりのドラム、裏声で絶唱するヴォーカルを混ぜ込んで独自の〈がらくたサウンド〉を提示……と、ここまではマクラスキーでも窺えた要素だが、フューチャー・オブ・ザ・レフトはそこに硬軟のバランスが絶妙に取れたドラマティックな曲展開をプラスしているのだ。しかも、すべての楽曲が2~3分台の尺なので意外なほどに聴きやすい。確かにハードコアの概念からかけ離れたことをやっているが、しかしこのゴッタ煮サウンドを3人で無理矢理やってのける点に、強靭なハードコア精神を感じやしないか?
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