EVERY LITTLE STEP HE TAKES トップ・プロデューサーとしての輝ける20年を振り返ろう!(2)
10. TLC 『Crazysexycool』 LaFace/Arista(1994)
90年代のポップ音楽を代表する名盤。ダラス・オースティンら後進の手腕が激賞されるなか、童顔はエロいスロウ“Red Light Special”とメロウな“Diggin' On You”という王道路線で無理なく存在感をアピールした。
(出嶌)
11. WAITING TO EXHALE 『Soundtrack』 Arista(1995)
映画「ため息つかせて」のサントラで、すべて童顔制作の女性シンガー曲という企画勝ちの逸品。メアリーJやブランディ、SWVらがノドを競うなか、主演のホイットニー・ヒューストンは流石の好相性だ。
(出嶌)
12. TONI BRAXTON 『Secrets』 LaFace/Arista(1996)
童顔の仕事量がピークを迎えたこの年を代表する快作! 昇り調子のR・ケリーらを尻目に7曲を手掛け、ブライス・ウィルソンと共同制作したスムースなアップ“You're Makin' Me High”で全米No.1を奪取。
(出嶌)
13. USHER 『My Way』 LaFace/Arista(1997)
モニカとのデュエット仕立ての“Slow Jam”は、童顔がディール時代にミッドナイト・スターに書き下ろしたスロウ。みずからの手によるこちらのリメイクでは夢見心地なムードをまぶして新たな魅力を生んだ。
(池谷)
14. SOUL FOOD 『Soundtrack』 LaFace/Arista(1997)
当時の夫人トレイシーが製作した映画のサントラで、ドゥルー・ヒルやアン・ヴォーグの佳曲など7曲をプロデュース。K-Ci&ジョジョに元アフター7の兄2人を加えたマイルストーンの結成も話題になった。
(出嶌)
15. DES'REE 『Supernatural』 S2(1998)
同年のサントラ『Hav Plenty』が初出となる“Fire”をプロデュースし、デュエットを披露。ブルース・スプリングスティーン曲を取り上げたアーシーな仕上がりで、『Playlist』路線の先駆けとも言える振る舞いが男らしい。
(出嶌)
16. MARY J. BLIGE 『Mary』 MCA(1999)
ジョージ・マイケルとのスティーヴィー・カヴァー“As”と、アレサ・フランクリンとのデュエット“Don't Waste Your Time”の2曲をプロデュース。アコースティック色の強い作品だけにその手捌きは際立っている。
(池谷)
17. 'N SYNC 『No Strings Attached』 Jive(2000)
清潔感に溢れたボーイズIIメンばりのスロウ“If Only In Heaven's Eyes”をプロデュース。同時期にはバックストリート・ボーイズの“Time”も手掛けるなど、ポップスがR&B色を強めていく時代ならではの好仕事。
(出嶌)
18. K-Ci & JOJO 『X』 MCA(2000)
サントラ内の企画ユニット、マイルストーンで共演して以来の付き合いとなる兄弟デュオに“All The Things I Should Have Known”を提供。いかにも童顔らしく繊細な感性を大事に扱う歌声が堪能できる。
(池谷)
19. MICHAEL JACKSON 『Invincible』 Epic(2001)
ミディアム~スロウに良曲の多い本作の一端を“You Are My Life”のプロデュースで担う。童顔マナー全開の、穏やかに和らいだ旋律をなぞる〈キング ・オブ・ポップ〉の歌声に感嘆すべし。
(池谷)