スパインファームのオーナーに、フィニッシュ・メタル人気の秘密を問う!
ヘルシンキを拠点に90年から活動を続けているスパインファームは、別掲のエンシフェルムやトゥワイライトニングをはじめ、チルドレン・オブ・ボドムなど人気バンドを多数輩出している超重要なインディー・レーベル。そこで、フィニッシュ・メタルをより理解すべく、オーナーのリク・パーコネンを直撃してみました!
――まずは設立当初のレーベルの話を聞かせて。
「OK! 当初はハードコアやパンクの作品を出していたんだ。で、同時に海外レーベルの流通もやってたんだよ。なかでもオフスプリングやランシドなどエピタフのアーティストが人気でね。かなり儲けさせてもらったかな(笑)」
――なんでパンク・レーベルがメタルを扱うようになったの?
「メタル・バンドがどんどん増えてきたのに、他の地元レーベルが興味を示さなかったからだよ。それで96年あたりからチルドレン・オブ・ボドムやナイトウィッシュと契約するようになったのさ」
――それがきっかけでメタルが流行り出したの?
「さあね。でもフィンランドのメタル・シーンが年々大きくなっているのは事実だよ。いまじゃ子どもから年寄りまでみんなメタル漬けさ!」
――USを中心にメタル再熱の波が起こってて、世界規模でブレイクするフィニッシュ・バンドも増えてきたけど、USの動向は意識してる?
「もちろんみんなUSの音楽は聴いてるよ。でも、一部のフィニッシュ・バンドが世界的な成功を手に入れたのはそれとは無関係で、あくまで自然な流れだと思う。彼らがUSシーンとリンクしたいがためにメタルをやっているとは思えないだろ? アルバム・クレジットを見ても、ゲスト参加してるのはほぼ仲間内のみ。US進出を考えるなら、あちらのスターを起用すると思うぜ。それにUSを意識したにしては、どいつもこいつも個性の強すぎるバンドばかりじゃないか」
――確かにそうよね。なんでフィンランドには強烈なバンドがたくさんいるんだと思う?
「1年のほとんどが暗くて寒いからじゃないか!? 家にこもって楽器の練習ばかりしていると、どんどん独創的になっちまう……っていうのは言いすぎだけど。あと、音楽の教育を受ける制度がしっかりしてるんだ。音楽学校も多いし」。
――総人口520万人のうち6万人の若者が音楽学校に通ってるんだもんね!?
「へぇ、そうなんだ。よく知ってるな」
――フィンランド大使館の人に聞いただけで、大したことじゃないわ。そうだ、せっかくだからフィンランドがどんな国か紹介してよ。きっと大使館の人も喜ぶわよ。
「とにかく自然の豊かな国だね。何千もの湖があってさ、夏休みになるとみんな湖のそばにある小屋に行くんだ。そこでバーベキューしたり、泳いだり……そうそう、サウナも忘れちゃいけないな。あとはサッカーとアイスホッケーが人気。フィンランド人はとにかくスポーツが大好きなんだ。それとやっぱり音楽は熱いね」
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