KOLPIKLAANI
誰が呼んだか〈森メタル〉。〈フィンランドの森の妖精〉の異名を取る6人組=コルピクラーニは、マイク・スタンドにトナカイのツノを付け、斧を片手にヴォーカルを取るという突っ込みどころ満載のパフォーマンスで世界中のメタラーを困惑させているシーンきっての異端児だ。しかし、その音楽性は奇怪なパフォーマンス以上に衝撃的。フィンランドの自然や神話からインスパイアされたという壮大なメロディー(実際に彼らは森の中に住み、自給自足で生活を営んでいるらしい)、アコーディオンやフィドルを使ったサウンド・アレンジは、フォークや民謡をルーツとし、完全にメタルの概念から逸脱している。このニュー・アルバム『Tervaskanto』においても土着音楽への傾倒は強く、畑は異なるもののフロッギング・モリーやマヌー・チャオにも通じる楽しさがあるのだ。その様相はビール片手に呑めや歌えの大騒ぎ。もはやコレは〈森メタル〉改め〈酒場メタル〉だね。
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