耳で聴いたピープル・トゥリー BLUE, SONGS ARE LIKE TATTOOS(2)
KEB' MO'
『Big Wide Grin』 Epic(2001)
ほのぼのブルースマンのケブ・モ。開かれた音楽感性の持ち主である彼のレパートリーにはメジャーなロック&ポップスも多数あり。さて、彼のジョニ・カヴァーといえば“Big Yellow Taxi”。開かれまくった風通しのイイ演奏と歌がこの曲の良さをストレートに伝えている。
(桑原)
JANET JACKSON
『The Velvet Rope』 Virgin(1997)
本作からの先行ヒット“Got 'Til It's Gone”にて“Big Yellow Taxi”をジョニの声ごとループ使用したジャネット。女性性と社会性を前面に出していた頃の作品だけに頷けるネタ選びではある。ただ、プリンスの旧友であるジャム&ルイスが仕掛け人なわけで……ミネアポリスでジョニが人気だったのかしら?
(出嶌)
畠山美由紀
『Summer Clouds, Summer Rain』 rhythm zone(2007)
〈日本のジョニ・ミッチェル〉という呼び名も今は昔。でも嫌な気はしなかったろう。だってこの歌姫、ずっとずっとジョニへ深い愛情を捧げ続けていらっしゃいますから。ライヴではジョニ曲を取り上げたりもする。Ann Sallyとのデュエットで“All I Want”を披露してくれたあの夜は最高だったにゃ~。
(桑原)
ELVIS PRESLEY
『A Date With Elvis』 RCA(1959)
ジョニがロックンロールに着替えたら。キング・エルヴィスのカヴァー“(You're So Square)Baby, I Don't Care”を82年にヒットさせたジョニ。なお、彼女のヴァージョンはジョージ・ブッシュさん所有のMP3プレーヤーに常時収まっていることでも有名ですね。
(桑原)
PRINCE
『Sign 'O' The Times』 Paisley Park/Warner Bros.(1987)
既発ライヴ音源の“A Case Of You”を下掲トリビュート盤に提供している殿下は、本作収録の“The Ballad Of Dorothy Parker”にて“Help Me”を一節引用し、“If I Was Your Girlfriend”では“All I Want”風に〈してあげたいこと〉を列挙するなど、根っからのジョニ・フリーク。紫色はファンクの血にジョニのブルーが交わってできているのだ。
(出嶌)
BOARDS OF CANADA
『The Campfire Headphase』 Warp(2005)
スコットランドにいても気分は遙かカナダ?ロード・ムーヴィーのサントラ的な質感を狙ったという本作にて、彼らはジョニを意識したヴィンテージなギターを導入。奥行きのある有機的な音像は、まさに!
(出嶌)
THE BAND
『The Last Waltz』 Warner Bros.(1978)
メンバーと交流があったことで、解散コンサートに招かれたジョニ。この夜のステージでは、映画「ラスト・ワルツ」に使用された“Coyote”を含め3曲を披露。ロビー・ロバートソンのような好奇心の強い音楽家には、彼女は頼もしい存在と映っていたろう。なお、『Court And Spark』ではロビーの独特すぎるギターが聴ける。
(桑原)