LIMBECK カントリー・エモだって? ……バカバカしい!!
「いままで言われたジャンルのなかで、唯一〈カントリー・エモ〉という表現だけは抵抗を覚える。だって僕らはそのどちらでもないし、バカバカしい。それ以外なら何でもいいけどね」(ロブ・マクリーン、ヴォーカル/ギター:以下同)。
のっけから全否定! ニュー・アルバム『Limbeck』をリリースしたカリフォルニアのリンベックは、パンク寄りのインディー・フィールドで育ったが、やがてカントリーやフォークに傾倒し、〈カントリー・エモ〉などと呼ばれるに至った。だが、そのサウンドの変化は特に意図的なものではなく、ごく自然なものだったという。
「僕らはいまでもパンクの大ファンだよ。だけど、バンドを結成してもう10年、徐々に変化してきた。新旧関係なく、聴いたこともない音楽を発掘するのが好きで、それが僕らの音楽に影響を与えたし、エキサイティングだった。水のように頭の中に沁み込んできて、作曲方法を変えてしまうほどにね」。
こうしてリンベックは、オールド97's、ビッグ・スター、トム・ペティといったミュージシャンとよく比較される一方、オール・アメリカン・リジェクツやニュー・ファウンド・グローリーらと年中ツアーに明け暮れるような、唯一無二の存在となった。
エド・ローズをプロデューサーに迎えた本作は、歌、メロディー、楽器の音色、アレンジのどれをとっても〈温もり〉や〈優しさ〉に満ち溢れた、これまででもっともポップな仕上がりとなっている。ジャンルの壁や時代を越え、世界中の数多くの老若男女、それこそビーチ・ボーイズのファンにだって彼らの音楽は愛される可能性を秘めている。そんな稀有な才能を小さな枠に閉じ込めておくのは、確かにもったいない話だ。むむむ……誰だ〈カントリー・エモ〉とか言い出したヤツは!? 責任者出てこ~い!!
▼リンベックの作品を紹介。
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