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THE HIGHER(3)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2007年07月05日 14:00

更新: 2008年05月20日 12:10

ソース: 『bounce』 288号(2007/6/25)

文/山口 智男

自分たちの聴きたい音楽をやるだけさ!

 平均年齢22歳のハイアーは、2002年に結成された。メンバーがまだ地元のとある高校に通っていた頃の話だ。

「バンドを始めたきっかけは何かやり甲斐のあることにトライしてみたいと思ったからなんだ。自分たちの才能を発揮できるようなことをね。その頃からずっと大勢の人の前で演奏するのを夢見ていたよ。もちろん、いまだって巨大なアリーナで演奏することを夢見ているけどね(笑)。だけど、僕たちは〈誰かみたいになりたい〉という話をしたことが一度もないんだ。それは実際の僕たちを知ってもらえればすぐにわかるはずだよ」。

 結成から半年後にはインディー・レーベルのフィドラーと契約を結び、2005年5月に『Histrionics』でアルバム・デビュー。その後はテイキング・バック・サンデーや同郷のパニック!アット・ザ・ディスコらのサポート・アクトを務め、彼らの存在は次第に全米各地に知れ渡っていった。そして、2006年にエピタフと新たに契約を結び、同年3月に本国で発表したアルバムが、このたび日本盤化される『On Fire』というわけだ。

 軽快なディスコ・ビートと、サビの〈As We Rock You, Shock You, Drop You And Make You Want It More〉という必殺フレーズに胸が躍る先行シングル“Insurance?”で幕を開ける『On Fire』は、アメリカで〈セイヴス・ザ・デイmeetsジャスティン・ティンバーレイク〉、もしくは〈ポスタル・サーヴィスmeetsマルーン5〉と評されているようだけれど、確かにそこにはレディオヘッドやデス・キャブ・フォー・キューティー、サード・アイ・ブラインド、ブリンク・182に加えて、ジャスティン・ティンバーレイクやマルーン5、ニーヨ、クレイグ・デヴィッドをフェイヴァリットに挙げる彼らの感性が息づいている。

「他のバンドと同じようなことはしたくなかった。どのバンドも同じような曲を書いて、同じような衣装で、同じようなメイキャップっていうのに、もううんざりしているんだよ。僕たちは僕たちの聴きたい音楽をやるだけさ」。

 そんな想いはちょっぴりラテン調の“Weapons Wired”や、ジョン・メイヤーを思わせる大人っぽいアコースティック・バラードの“Can Anyone Really Love Young”といった、〈ディスコ・エモ〉という言葉には収まりきらない楽曲にもしっかりと反映されている。

「僕たちはいろいろなスタイルが好きなんだ。それにジェットコースターに乗っているみたいなレコードのほうが、聴いていてワクワクするだろ? 『On Fire』はどんな人でも楽しめるようなアルバムにしたかったんだよ」。

 キラーズやパニック!アット・ザ・ディスコ同様、本作には彼らのホームタウン=ラスヴェガスのネオンを思わせる、華やかで煌びやかなポップ感覚が溢れ返っている。

「いまの僕たちはラスヴェガスによって形成されたようなものさ。パーティーやライヴや楽しいことが大好きなんだ。〈華やかで煌びやか〉っていう形容詞を使うことに異論はないよ。だって、女の子たちはダンスが大好きだし、僕たちは女の子たちをダンスさせるのが大好きなんだから」。

 エモ・シーンが飽和状態だなんて、とんでもない! むしろハイアーのようなバンドのブレイクに伴い、〈次はどんな連中が現れるんだろう!?〉というワクワク感がここにきて俄然高まってきた。要はそれを楽しめるか、楽しめないかだ。

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